【医師エッセイ】医師の働き方改革と研修医
私が今一番気になっていること、それは2024年の医師の働き方改革。医師というのは若い時はブラックもブラックな状態で働かされます。ですが、それがあるからこそ技量が付き、人脈が増え、自分の自信につなげていくことができました。それなのに医師の働き方改革でそれができなくなってしまう。
確かにブラックな環境で働くのはどうかと思うこともありますが、経営者の問題ではない限り、ブラックになるには理由があるということです。それを杓子定規で、すべて廃止するというのは、どうかと思ってしまいます。
とはいえ私も杓子定規になっていることがありました。今の若い研修医たちに対しての偏見です。何でもかんでもハラスメントにしてしまうので、滅多なことは言えなくなりましたし、残業を強いることもできない。勉強をさせるための指導すらできません。そしてそれが当然だと思っている若い研修医……そう思っていたのに、そうじゃない研修医がいました。私に講義をして欲しいと言ってきた若手研修医。こんなことを言われるのは珍しいものです。ただ私も本気で教えて欲しいと言うなら向き合うしかありません。そう言ってくれるのは、私も嬉しかったからです。そして講義が終わった後、「とても勉強になりました」と言ってくれた言葉が忘れられません。
いつの間にか杓子定規に見ていた若手研修医たち。もう少し見る目を柔軟にしなければと思ったところです。
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