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クロスドミナンスの苦悩

今日は台湾、高雄の生活に全く関係ない話。

最近日本語学校で教師の仕事を始めて、そこで何人もの生徒に「先生は左利きなんですね〜」と言われる。

左手で白板に横書きをすると、見ている学生側は違和感を感じるらしい。

書いた字を手で消さないように、肘に角度をつけて下から覗くように文字を書いてるので確かに変に見えるのかもしれない。

縦書きにすれば済む話ではあるのだけど。

左で字を書いているとかなりの頻度で左利きと言われるが、実際箸は右手を使うし、やることによって利き手が変わる。

毎回利き手の話になる度に、左利きだけど左利きじゃないモヤモヤした気持ちがあった。

単純に左利きなんだねと言われて、全部説明するのが面倒な部分もある。


そして最近知った交差利きと言う意味のクロスドミナンス。


一般的に知られているのは、右利き、左利き、そして両利き。


クロスドミナンスは、行為によって利き手が変わる人を言う。


私の場合、

ペン       :左
箸        :右(左でもOKでも基本右)
フォーク/スプーン:両手(あまりこだわりない、その時持った方の手)
スポーツ     :左
料理       :右
ハサミ      :右
カッター     :左
ペットボトルの開封:左
スマホ      :両手
化粧       :両手(顔の右側は右手、左側は左手)
歯ブラシ     :右

例を挙げるとキリがないが、クロスドミナンスは両手を使い分けながら生活をしている。


なぜその手なのか自分でもよく分かっていないし、強いて言うならしっくりきたからという感覚。


SuicaなどのICカードで改札を通る時は左手でタッチをする。

絶対右で持った方がやりやすいよねって言われるが、変に試してエラーで改札機が閉まった経験があるため、人で溢れている改札でやる勇気がない。
左の成功率は100%


しっくりくる感覚が個人的にすごく大事。


ペンまたは箸の利き手が左の人はクロスドミナンスであることが多い。


完全な右利きはたくさんいるが、完全な左利きの人にはあまり出会わない。


クロスドミナンスは後天的な要因でなる人がほとんどである。左利きの子が親に右手で使うように矯正されたり、逆にスポーツでは右利きが左に矯正されたりするケースもある。

左利きの人がクロスドミナンスになる明らかな要因として右利き用に作られた社会に適用するために仕方なく右手を使わなければならないという点がある。


左利き用のハサミが家にない。
箸やペンの持ち方を教えてくれた保育園の先生はみんな右利きだった。
などなど。


ネットでは、左右の手を使って生活している人は右利きに比べて脳を活性化させているので、左右脳どちらも発達していると言われている。


他にも芸術的能力が高いだとか、感覚的な部分に優れているとか天才は左利きの人が多いとか言われている。


私はそれにはあてはまらず。
そんな人は一部の人だけだろう。


両方器用に使えることは、よく聞こえるかもしれないが、苦労をしていることもある。


その一つが左右盲。


クロスドミナンスのほとんどがなりやすいらしい。


私は小さい頃から大人になった今でも全く改善されず、右が左か咄嗟にわからない。今でも人から右左の指示されるのは嫌いだし、一旦考えないと左右どっちかわからない。


視力検査はいつも別の意味で緊張する。
左右盲にとって最悪の状況で、瞬時に右か左かを答えないといけないし、
数秒間黙ってると視力が悪いと疑われる。



車の教習場もすごい苦手だった。運転に集中したいのに、教官からの左右の指示で軽くパニックになる。そこ右折して〜とか、ハンドル左に切って〜とか。


最近クロスドミナンスについて調べた時に、ふと母親から何度か聞かされていた話を思い出した。



小さい頃にあった言語障害。本当に小さかったので私はほぼ覚えていない。



「あー」とか「うー」とか声を出すことに関しては他の子どもと変わらない時期からあったのに、言葉を話すことができていなかった。


ある時期は、話しかけられても全く声を発さなかったみたいなので、母や祖母が難聴を疑っていたが、実際は言葉を理解して話すことが難しかったみたいだ。


そのため、親はいくつか解消させるためのアプローチをしていたそう。


その一つが右手を使わせることだった。


右手を中心に使うと左脳が、
左手を中心に使うと右脳が発達するという仕組みを使って言語能力を司る左脳に刺激を与えるために、右手を使う習慣をつけさせていたそう。


結局右利きにはならなかったが、右手でする動作があるのは、この影響なのかもしれない。


大人になった今でもなんとなく言語能力が欠乏していると感じることはあるが、生活に影響を与える程の障がいは残っておらず、親も現在は全く心配していない。

自分の考えや意見を瞬時に文章化することは苦手だし、うまく言葉が出てこないこともある。



台湾で生活をしている時に一番苦手な状況が、二つの言語を混ぜて話される時である。


日本語ができる台湾人はよく日中の2言語を混ぜて会話をするのだが、私からすると本当に難しい。脳みそが器用に作られていないのだろうなと感じる。


中国語を使った後に話す日本語はボロボロになるので、言語の切り替えが苦手なのかもしれない。

なので今の日本語学校でも極力日本語だけ使うようにしている。

中国語で話し始めると脳みそが崩壊してしまう。

日本語の単語の意味を尋ねられたら中国語で答えることはしてるくらいで、基本的に日本語で貫き通している。

完全直接法の授業。日本語初級者の学生にはハイレベルな授業。

それでも毎回頑張って理解しようとしてくれている。ありがたや。


左手を使うからコミュ力が低いというわけではないと思うが、今からでも改善できるならコミュ力つけたい切実に。


無意識に左右の手を器用に使い分けてるのに、なぜ言語能力は器用にならないのだろうか…。


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