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今年、初めて食べる桃

今年もこの季節がやってきた。

桃。今が旬の桃。
新聞の折り込み広告には、スーパーなどのチラシに、旬の果物がよく載っている。

私は、果物が好きだ。子どもの頃から、食卓に果物が並んでいて、デザートに果物を食べていた。そういったこともあって、しばらく果物を食べていないと、なんだか急に寂しくなって、果物を買いたくなる。

最近は、物価高もあって、スーパーのチラシを見て、果物、食べたいな、買いたいな、と思っても、気軽には買えないなあと、買うのを躊躇していた。

けど、おいしいものを食べることが生きがいでもある私は、食べ物くらいは、買いたいものを買いたいな、とも思っていた。

「よし、今年初めての桃を買おう」

スーパーに買い物に行って、チラシに載っていた桃を探した。

「あった!!」

控えめに並んでいた桃は、2個入りの静岡県産と、バラ売りしている山梨県産の2種類あった。

「どちらにしよう?」

少し迷った。2個入りのものを買えば、長く、桃を楽しめる。1個から買える方を選べば、お気軽に試せる。

スーパーの中をゆっくり回り、他の品物を買いながら、どちらの桃を買うか悩んで、結局、バラ売りの山梨県産の桃を1個、買うことにした。

スーパーを後にして、家路につくと、桃などを冷蔵庫にしまった。

十分に冷やした桃を食後に食べてみることにした。私にとっては、高価な買い物だったけど、この食べる瞬間が、たまらなく幸せな時間だ。

少しだけ、包丁を入れて、半分に切り、後は、手で皮をむいて、桃を食べる。

「みずみずしい!!」

ほどよい甘みと水分が、口いっぱいに、広がる。

「これこれ!!」

果物のおいしさって、これだと思う。
やっぱり買って良かった。

私だけの小さな幸せ。
残りの半分を食べながら、季節限定のおいしさを感じた瞬間だった。

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