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小石川植物園と神田古本まつり

土の上を歩きたい。
アスファルトじゃないところを歩きたい。
緑に囲まれたい!

悲しいことに、こう思ってもなかなかできないのが私の今の生活です。
本当に土がない。あったとしても幅30cmくらいの隙間とか、狭い公園とか、立入れない場所とか、家から歩いていくには遠いところとか(うちは車ないので^^;)。

そんなわけで、電車で1時間かからず行ける場所で、思いっきり土の上を歩けて、緑が豊富な場所へ、ということで東京都文京区にある小石川植物園へ行ってきました。

「小石川植物園」というのは一般名で、正式名称は「東京大学大学院理学系研究科附属植物園」といいます。江戸時代1684年、徳川幕府が置いた「小石川御薬園」が前進です。日本で最も古い植物園だそう。

地下鉄丸の内線の茗荷谷駅から10分ちょっと歩くと鬱蒼とした森が現れます。


入り口からとりあえず、まっすぐてくてく。

ヒマラヤスギの大木がありました。
見た瞬間、幹に腰掛けたくなりました。やっぱり乗って座りたくなる人がいるのか、「乗らないでください」の注意書きが。

ネコが箱があったら当然のように入るみたいに、ヒトも座れそうな場所があると反射的に座りたくなるのかな。

「ここに座ってください」みたいな枝ぶりです。


園内の至る所で地面が盛り上がっていました。モグラ?
植物園なら美味しいミミズがたくさんいそう。

入り口からまっすぐ進むと、広場があります。木陰にベンチがあったり、芝生にレジャーシートを広げたり、各々くつろげるようになっています。遠足の子供達がたくさんいました。ちびっ子は元気いっぱい。

入り口を背にして、左には薬草園、右には温室が並んでいます。

まずは薬草園へ。

アザミゲシ。
ケシ科ですが、葉がアザミに似ているのでアザミゲシと名付けられています。鎮痛作用があるそう。


アシタバで虫たちがお食事中。
美しい光沢の虫ですが、名前はわかりません。

間違っていたらごめんなさい。
セマダライエバエ(左)とタケノホソクロバ。

ヒメエグリバの幼虫がお食事中でした。

むしゃむしゃむしゃ

虫を見ていたら蚊に刺されました。秋冬物の厚めの服を着ていたのに、服の上から4ヶ所くらい刺されました。変な虫がズボンの中に入ってきて刺したんじゃないかと思うくらいものすごく痒くて、トイレに行って確認しました(笑)。そしたら蚊でした。ちょっと安心。

近くには売店があり、植物園で採れた植物を使ったのど飴が売っていたので買ってみました。銀杏、どんな味なんだろう。黄箱バージョンもあって、山桃と梅とゆず味だそう。

帰宅後に食べてみたらどれも美味しかったです。

次は温室へ。
温室の隣にはニュートンのリンゴ(接木)やメンデルのブドウ(分株)があったそうなんですが、痒みに気を取られて見るのを忘れました。

温室では、熱帯や亜熱帯に生育する植物が展示されています。一部は冷温室になっており、高山植物や涼しいところで生育する植物が展示されています。絶滅危惧種もたくさんあるそう。

冷温室にて。
キバナノホトトギスにとまるキンケハラナガツチバチ。
その名の通り、金色に見える毛が生えています。

花の中心をぐるぐるぐるぐる回りながら、めしべと花びらの間に口を突っ込んでいました。そこに蜜があるのかしら?


小さな花たちを撮っていたら、近くにいたカメラが趣味と思われるおじさんが「これもキレイだよ」「こっちもかわいいよ」とあっちこっち教えてくださいました。

シコタンハコベ。

環境省レッドリスト絶滅危惧II類。


ホソバハグマ。屋久島の固有種だそうです。


アガペテス・インクルヴァータ。チベット南部の亜高山帯が原産地。

シラタマノキ。
亜高山帯〜高山帯の岩場などに生育するそう。
白い丸いのは、花が咲いた後に萼(がく)が肥大して果実を包んだものです。果実や葉はサリチル酸メチルエステルを含むそうで、潰すと爽やかな香りがするとのこと。


ウチワダイモンジソウ。
その名の通り大の字の花。


次は温室へ。

温室は何部屋にも分かれています。


ハナコミカンボク。
濃いピンクの小さな花がかわいらしい。沖縄県の一部にしか自生していないそう。沖縄県指定天然記念物です。

オオシマコバンノキ。奄美大島〜琉球諸島に分布しています。

赤い実が熟すと黒くなるらしい


ミッキマウスツリー。オクナ・アトロプルプレア。
何がミッキーマウスなのかというと、実がなった時の形がミッキーマウスみたいだから、だそう。
ただ、調べるとオクナ属は熱帯から亜熱帯に分布していて、ミッキーマウスツリーと呼ばれるのは、南アフリカに分布するオクナ・セルラタという種のようです。よくわかりませんが、とにかくミッキーマウスみたいな実がなるそうです!

福岡市植物園のHPより


温室を出て進んでいくと、次第に森っぽくなっていきます。
クスノキの大木がどどどーん。


こういうヤブみたいなところをかき分けながら進んでいきます。

山道みたい


ヤブツバキってこんな樹皮なんですね。


トキワマンサク。花が咲いたらすごそう!

最初、ツタ植物のようなもので覆われているのかと思いましたが、こういう葉っぱの木でした。


カリン林へ来ました。カリンの実がたくさん!
この辺りは明るく開けていて、紅葉の時期は景色を眺めながらゆっくり過ごすのに良さそうです。

誰かが集めて、他の人も見つけたらここに持ってきているのか、カリンが集められている場所がありました。


カリン林の近くでぼーっと上の方を見ながら歩いていたら足元に違和感が。ん?
下を見ると一面のギンナン!思いっきり踏んづけちゃったよ。
でもなぜかにおいはしませんでした。他の場所ではすぐ分かったのに。
靴の裏をみたらつぶれたギンナンが何個もくっついてるー(⁠*⁠_⁠*⁠)そのへんの落ち葉とか小枝で靴裏をごしごし。

少し紅葉も。

一番奥まったところには針葉樹の林があります。
都内とは思えない針葉樹林。頭上ではヒヨドリが大騒ぎしていました。

山に入ったみたい


しばらく行くと日本庭園がありました。この日本庭園に辿り着く直前にかなりの下りがありました。茗荷谷駅からの道も坂があって、この辺りは起伏がある土地のようです。そういえば都内って意外なほど坂道多いですね。

この赤い建物は旧東京医学校です。

東京大学総合研究博物館 小石川分館として使われているそう。


ススキが秋を感じさせます。

ここにも秋らしさが。
秋の七草のひとつ、ハギ。
チョウがたくさん来ていました。

盛大に食べられた様子の植物。真ん中より少し右に召し上がったと思われる方がいらっしゃるのですがお分かりになりますか?

フクラスズメという可愛らしい名前のガの幼虫です。
冬の寒さでスズメが羽毛を逆立てて膨れている様子をフクラスズメというそうですが、その姿に似た丸っこいガだそう。
フクラスズメの幼虫はイラクサ科を食べるそうです。

むしゃむしゃむしゃ


タイミンチク。
旅館とか料亭にありそう。


くるくるっと巻いた葉。中に虫が入っているのでしょうか。
Googleレンズで検索したら、この植物は「カジノキ」と出てきました。


メタセコイア並木。
メタセコイアは外からもよく見えました。


今年の6月に白金台にある国立科学博物館附属自然教育園に行きましたが、自然教育園の方は歩ける道がきちんと決められていて、広い園内に比べて歩ける場所が少なかった印象でした。

一方で小石川植物園は特に柵があるわけでもなく、どこまで入っていいのか分からないところも多かったです。いい意味で雑然としていて、奥の方は藪の中を進むみたいな探検感があって面白かったです。

2時間ちょっと滞在しましたが、緑に囲まれながら土の上を歩きたい願望はとりあえずのところ叶えられました。

帰ろうとしたら、入り口受付のカウンターの上にネコちゃんがいました。いっきに目がハートに(猫バカなので^^;)。
ツヤツヤでちょっとムチッとした可愛い子がスヤスヤ寝ていました。受付の方によると、この辺りの地域猫だそうで、ムチムチしていますが「ちびちゃん」と呼ばれているそう(笑)。
だいぶゆったりした性格なのか、よほど眠かったのか、頭を撫でてもこのままの姿勢でした。お顔見たかったなぁ。

ちびちゃん、のぼらないでください!って書いてあるよ😆


帰りは都営三田線の白山駅へ。
ちょうど神田古本まつりが始まり、どんなものか一度は見てみたいと思っていたので神保町へ向かいました。
*人が多過ぎたので写真は撮りませんでした。

靖国通りの歩道沿いには古本の屋台がずらりと並び、どこもたくさんの人で賑わっていました。

まず向かったのは神保町交差点近くの書店「神保町 にゃんこ堂」。
猫の本の専門店です。古書ではなく新刊書店です。ずっと行ってみたかった書店です。
実を言うと、私は猫大好き人間ですが、猫の本に関しては毛色の遺伝学の話とか行動学的な話とか、学術的な本しか読みません。読みませんではなく読めません、です。
エッセイとか小説とか、猫が出てくるともうダメで。たいてい泣ける話なので、もう読めないのです。泣かなくても切なくなってしまい、読むのが辛い。たまに気が向いて読むとぐったり。でも、大好きな米原万里さんも猫の話を書いていますが、米原さんの本は大丈夫なのです。

店内は猫の本でいっぱい!
表紙を見て回るだけで楽しかったです。お店の方の猫愛が伝わってきました。お客さんもひっきりなしに訪れていました。
私が購入したのはこちら。

『ウェザリーの動物デッサン ネコ科を描く』ジョー・ウェザリー著 グラフィック社

猫の絵をちゃんと描けるようになりたいと思いまして。

お店のご主人はすごく穏やかで丁寧な方で、お店とお客さんを大事にされている印象を受けました。深い猫愛があるのは言うまでもなく。

本を購入したら読売KoDoMo新聞をつけてくださいました。ちょうど神保町特集が組まれていた号でした。ふむふむ、神保町が本の街になった経緯か。

明治時代から神保町の周囲には学校が多くありました。当時は本が非常に高価だったため、学生は使い終わった本は売るのが当たり前だったとか。そのため、神保町には古書店が集まるようになり、そのうち大型書店や出版社も増えてきて、現在の「本の街 神保町」になったそう。

ちょっと歩くとスポーツ用品店が並ぶ小川町、さらに歩けば学生と大学病院と楽器の街、お茶の水。それぞれ個性があって面白いですね。

最近は活字離れが進み、アマゾンなどの通販で本を買うのが一般的になり、特に小さな書店は苦境に立たされています。一方でにゃんこ堂をはじめ、工夫を凝らした小型書店も増えつつあって、行ってみたい本屋さんがたくさん。

私もアマゾンで買いがちですが、できるだけ書店に足を運び、本を選びたいものです。


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