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ノズル、侮る。
時期は、決めてない。
だからこそ、出勤前に五分くらい余裕があるときを選び、機が熟した頃にやる。便所掃除。
トイレに神様がいるように、
トイレ掃除の神様も、各部位にいることを知る。
今日がタイミングだよ…
と神様が声をかけてくれるのを
日々待ち遠しくしている。
今日がその日であり、
この流儀が、私のセブンルールだ。
知らんけど。
まずドメストで器内の神様を洗浄
これが、私のスタートだ。
液が器内に浸透する。
浄化される気分になる。
ついで、便座の表裏の神様を拭く。
男性なのに、便座裏がなぜ汚れるか
謎だった…
小便を座ってしていたら、水気の潤いを
微かに感じ、所作の間
時折、隙間から溢れている
ことに気づいたのは五年ほど前のこと。
あぁ、掃除しなきゃな。
表裏のある便座の神様の思し召だ。
これも、各部位にいる神様のお声かけだと
一人暮らしを始めてから悟る。
そして、3-6番目に壁、床、飾り棚、トイレットペーパー器具を掃除。お呼びのあるお告げが聞こえる方に、指先を添えて神様に答える。
ごめんなさい、汚してしまって。
そして、ありがとう、と一言。
言うことはない…
そして各所の神々に、便器のしつこい汚れを厚みにしたペーパーで、素手でいく。
これも、欠かさないセブンルールだ。
ただ、好きな高橋一生の原体験がルーツだ。
そして、私の私を大事に掃除してくれるノズル。
パタパタと開くことを知っていたが、
そのパタっとみた瞬間
過ぎる不安が殊更に大きくなった。
見るに見かねる惨状に、声を失った。
いつから、こうなってたんだろうか。
ノズルにも居た褐色の神々しい神様
ごめんなさい。
神様を侮(あなど)っていました。
今日も一日、良い日でありますように。