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一生食べ飽きない食材 〜農業エトセトラ〜

人間が一生食べても食べ飽きない食材は何だろうか…?
どんなに美味しい食べ物でも、連日食べていたら大半の食べ物は食べ飽きてくるのではないでしょうか。
同じ味付け、同じ量、同じ時間に同じものを食べ続ける…
俳優さんのどなたかが、激しい減量に際して「毎食同じものを食べ続ける」ということをして痩せた、という話をしていたのを耳にしたことがあります。

日本ほど色々な食べ物を食べられる国はない、と聞いたことがあります。
世界各地の料理を提供するお店がたくさんあり、宗教上の食材の禁忌もほとんどなく、食卓にもさまざまな料理が並ぶことが多いですね。
以前、ドイツのミュンヘンに短期語学研修でホームステイをしていた時、
ほぼ毎日同じ食事が出てきて(パン、ハム、チーズ)、それも温かい食事ではなく冷たい食事で(湯気が出ていないという意味)、手の込んだ料理をするのはもっぱら金曜の夜〜週末である、と聞いた時には、
日本の家庭料理は手が込んでいる!
とカルチャーショックを受けました。

そんな日本において一生食べ飽きない食材は何だろうと考えた時に、
調味料系を除くと「お米」と思うのですが、どうでしょうか。
お米の消費量は年々右肩下がりではありますが、毎食食べて飽きない食材は
「お米」なのではないかと思うのです。
味がついていなくても食べられて、チャーハンにしたり、カレーや汁物をかけても食べられる。
食べ飽きない…。
日本で米作りが始まって2000年くらい経つ今も作られ、食されている。
とても貴重な食材ではないかな、と思うのです。
そして、その食材を作るスキルがあって、自分は幸せだなって感じます。

そんな中、米の消費量が下がっているのは、お米の食感や食味の変化にあるのではないかな、と考えています。
コシヒカリの登場で「香り高く、もちもち食感」が流行したと思うのですが
(私も好きなお米の一つです)、お米は他のおかずと共に食べられることが多いので、米自身の自己主張が過ぎると
1膳食べるか食べないかで満足して、飽きてしまうのではないでしょうか。
何膳もお代わりしたくなるお米は、米自体の主張はほどほどに、
何倍でも飽きのこないサラッとしたお米なのではないかしら?
と考える今日この頃です。

私の好みのお米が、サラッとして冷めても美味しいお米なので、そのように感じるのかも知れません。
最近では食の好みも多様化していますので、みんなが一律に「美味しい!」と感じる食べ物自体がなくなっているのかも知れません。
それでも、これから自分が作っていくのは、生産者である自分が美味しい、好ましい、と思う食べ物にしたいと考えています。
そして、それを分かち合える方々に販売していきたいと思うのです。
2024年の作付けに向けて、こんなことを考えています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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