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ラジオDJというお仕事

 最近お仕事でラジオのDJをされている方とお話しさせていただく機会があった。
その方と今後のラジオ業界はどうなっていくのかという話題になった時、その方が、「昨今はタイムフリーとかポッドキャストで自分の好きな曲だけ聴くという新たなラジオの聴き方をされる。そうなってくると番組DJのトークは邪魔者扱いになっていく。DJがいる意味ってなんなんだろう。」と話されていた。私はこのDJさんの質問に的確な答えを見つけることができず、しばらく考え込んでしまった。

 そこから1週間くらいこの疑問についてもんもんと考えていた。確かに私もradikoのタイムフリーで好きなアーティストが出ているところだけ聴くし、ポッドキャストでも好きなアーティストの特集だけ聴く。誰の番組だから、いつやっている番組だから聴くという時代から、誰の特集だからというよりコンテンツ内容が重要視される時代へと変わりつつあると思う。
そうなると番組DJの存在意義はどこにいくのか。



 話は少し変わるが、sumikaに悲しいことがあってしばらくメディアに出ていなかった彼らが、ようやく少しずつメディアに出てくるようになった。でも、頑なに隼ちゃんの名前は出さないし、空白の期間に何があってどんな話をして浜スタでのライブがあったのかは彼らの口から事細かに話されることは無かった。そんな中、ある1つの雑誌が3人のインタビューを載せた。それは私たちファンが知りたかったけど、とても聞くことのできないような踏み込んだ内容だった。そのインタビューを読んでようやくsumikaが浜スタに辿り着くまでどんな気持ちで、なにを話したのか垣間見ることができた。それは、インタビュアーさんとsumikaがこれまで築いてきた信頼関係の上で成り立ったインタビューだと思う。初めましての人に話すことができるような内容ではない。この時、ああこうしてインタビューしてくれる人がいてくれて初めて私たちたちはアーティストの本心を知ることができるのだと分かった。

 これはラジオのDJも同じだと思う。リスナーが知りたいことを代弁して聴いてくれるのはいつだってDJさんだ。アーティストって意外と喋ると口下手な人が多い。歌でなら伝えられるけど、本当は不器用ですぐ噛む。そんなアーティストの本心を信頼関係の上で聞き出すのはDJしかできない。
 新しい曲ができたとき、ライブをしたとき、楽しい情報を伝えるのもDJやインタビュアーの仕事だけど、本当の意味でインタビュアーの信頼関係と力が試されるのは、悲しいことがあったとき、私たちファンがとてもじゃないけど直接聞けないことを聞く時なのではないかと今回のsumikaのことがあって思った。

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