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プチプラばかり使っていた私がデパコスデビューした話。
コスメはまあまあ好きだが、
実はプチプラでしか顔面をコーディネートしていない御年27である。
理由としては、生まれた時から不景気で
そのような中で生きてきた私は
母の「貯金しなさい」という思考に取り憑かれ、
デパコス=贅沢 という考えがあったからである。
また、疾患で対人恐怖がある為、
プチプラは店頭でテストせずに買えるし、
もし仮にお色が合わなくてもショックが少ない、
プチプラこそ対人恐怖症の味方ということから
プチプラばかり選んでいた。
このままプチプラでヨボヨボのおばあさんになると思っていた。
2025年に入ってから
「仕事中、ファンデーションがマスクにつくことや
崩れ方やよれ方をどうにかしたい、カバー力が欲しい」と思い、
某大手通販サイトのセールにて
そこそこなお値段がする韓国のクッションファンデを購入した。
水のように光を細やかに反射する肌、
マスクにつかない長所、
CICAや美容天然針が入っており
お化粧しながらスキンケアが出来るクオリティーに感動した。
もっとデパコスのコスメについて知りたいな、と思いコスメの特集をしている雑誌を購入して勉強し始めたのである。
雑誌を読んでいたところ、
スティックルージュ部門で1位を獲得した
カネボウのルージュが気になった。
カネボウと言えば、CMで
「化粧品を売っているのではない。“希望”を売っている」というコピーに感動して半泣きになった記憶がある。
カネボウは個人的に儚いが返り咲けるようなたくましさもあるイメージがあり、
口紅に込められた思いを知りたくて
カネボウのサイトを覗いたのだ。
見事に沼にズブズブとはまってしまった。
色鮮やかなラインナップの虜になり
仕事の昼休み、ずっとモデルの方の唇を見ていた。
また、口紅一つ一つに小説家の方が
メッセージをつけていることが印象に残り、
このメッセージの力を借りようと思い
思い切ってカネボウの口紅を1本オンラインショップにて購入した。デパコスデビューである。
赤色の中に優しさがあり、
このルージュを使って奏でる言葉はどのような内容でも綺麗な音に変わるのかもしれない。
うっとり考えている最中、
デパコスは贅沢ではない、自分を奮い立たせてくれたり背中を押してくれる貴い存在であると気付かされた。デパコスの考え方が変わった瞬間である。
思い切って購入して本当に良かったと思う。
口紅をつけられる日が楽しみである。