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自然界について、陰陽の法則からなる森羅万象 前編1 第2章 陰陽の法則 第1節

第1節 陰陽の法則発見の動機

昭和14年1月3日、北国の冬の寒い粉吹雪に閉じ込められて、娯楽雑誌に読みふけっていた私は、ふとニュートンの引力説に疑問が起こったのです、物体が落下する現象、これをニュートンは「地球に引力があって引っ張るからである」というのですが果たして地球が引っ張るのであろうか?もしそうなら5つの疑問に対して具体的な説明がなければならない、即ち・・・

1,地球のどの部分に引力があってリンゴの何の部分をどんな作用で引っ張るのであろうか?

リンゴが落下するからと言って、ただ単に地球が引っ張るというだけでは引力説は不十分である、吾々がリンゴを地上に落とそうとすれば直接手で落とす事も出来る、手が届かなければ竿で落とすことも出来る、また風が吹いて落ちる事もある、何れにしても具体的な何物かをリンゴに作用しなければリンゴを地上に落とすという事は絶対に不可能である、そして物質に作用し能う物また物質であらなければならない、何故なら物質は自己の有する抵抗や摩擦によって同様の他の物質と相互的に作用が可能なのであるから、汽車が一方的に走ろうとしてもレールに潤滑油を流して一方の摩擦を減ずる事によってさえ不可能なのである、然るに地球はリンゴを地上に落とそうとして、有形のリンゴに抵抗も摩擦も持たない無形の引力を作用するなどと考えることは馬鹿げている、星と星が互いに引き合うという事もまた同様である。

ニュートンの引力則は、「2つの天体は互いに引き合い、その力は2つの天体の質量の相乗積に正比例し、その相互距離の自乗に逆比例する」というのであるから・・

2,地球と月とは互いにどの部分がどの部分をどんな作用で引き合うのか?

3,何故に引力は星々の質量に依存するのであろうか?

4,何故に2つの星の引き合う力は星と星との相互距離の自乗に逆比例するのであろうか?

5,引力は星々の引っ張る力であるとするならば、その星の中心が引っ張るという事にならなければならない、何故なら引力は星々の中心に集中するからである、しかるに他方に於いて引力はニュートンの引力則によって明らかなように、質量の大きな星ほど大きいと・・・とすれば星々の表面に於いて最も引力は大きくならなければならない、何故なら星々はその表面において最も質量が大きいからである、例えば地球は約6350キロの半径を持つ球であるが、今地球の表面から中心に向かって500キロ掘り下げたと仮定すればその位置では地球は表面より半径が500キロだけ小さくなり、1000キロだけ掘り下げたとすればその位置では1000キロだけ小さくなり、6350キロを掘り下げたと仮定すれば、その位置では地球の質量はゼロになることになる、従って地球の中心に向かって次第に引力は小さくならなければならない、然るに事実は反って大きくなり前に述べたように引力は地球の中心に集中するのである、即ち引力は地球の中心を起点とし、表面を一(いち)としてその外側の空間に距離の自乗に逆比例するのである、日本海の海底よりも富士山頂は引力は小さい筈である、それならば地球の中心が引っ張るのであろうか?もし中心が引っ張るのであるとするならば引力の大小は星々の質量の大小に依存しないことになる、何故なら中心は星々の質量の大小に拘わらず等しいからである、しかも真の中心は質量零とも考えられるからである、この矛盾を世界の天文学者は何と説明するのであろうか?

以上5項目に亘る疑問に対して具体的な回答を与えることによってはじめて引力説は完全であるが、もし不可能ならばニュートンの引力説は仮定である。

結論的には引力説は仮設であり引力の正体は未知である、何故ならニュートンもそしてそれ以降の全世界の天文学者にして未だ一人として、この疑問に対して具体的な答えを与えていないからである、ニュートンの引力説はリンゴの落下する理由を説明するための仮定であり、そしてこの法則は星々の力を比例で表す数学式の何物でもない、「私はこの未知の引力の正体を発見しなければならない」それ以降、筆者はこの引力の正体を発見すべく全精力をこれに傾注して自然界におけるあらゆる現象を、あらゆる方面からこれを研究したのでありますが、それは全く寝食を忘れて熱中したのです。

そして引力の正体を発見するために、あらゆる自然現象をあらゆる角度から研究した結果として霊感によって引力の正体が次第に明らかになるとともにまたあらゆる自然現象が一つの法則によって一貫して生起するのだという事が副産物的に明らかになって来たのです、筆者はこの大自然を一貫して支配する大法則を陰陽の法則と唱えるのでありますが、それならばその大法則はどのような法則なのでしょう?


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