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オーケストラを観にいこう
noteを見ていると、いろいろな方が歌詞の解釈文を書いていらっしゃる。
私もいつかやってみたいなぁ…と思い、書き進めてみたりするのだが、
どうもうまく言葉がまとまらない。
なので、何度も何度も下書き保存からの削除に至っている。
でも、どうしても書きたくなってしまった。
そのくらい大きな感情を抱えてしまった。
なので駄文上等で書き進めていきたい。もし書ききれたら自分を褒めたい。
表題にしている『オーケストラを観にいこう』。
先日、めでたく結成20周年を迎えた、UNISON SQUARE GARDEN(以下、USG)の7枚目のフルアルバム「MODE MOOD MODE」の3曲目に収録されている。
「日本一見切れるベーシスト」でお馴染み、田淵智也(以下、田淵。私は彼を、普段はこのように呼んでいる)はインタビューで、このアルバムを一番好きなアルバムとして挙げている。(斎藤くんは確かDr.Izzyだったような)
7/24から始まった、USG今年最大のイベント「20th Anniversary LIVE」の核となる武道館3Days。私は幸運なことに、Day2とDay3に参戦させていただくことができた。
この「オーケストラを観にいこう」はDay2のライブタイトルにもなっており、普段のUSG3人にストリングスセクションとホーンセクションが入る、なんとも豪華な仕様だ。実際に見たら総勢40名弱!大編成!
昔、吹奏楽をやっていた私としては、ロックとクラシックの融合なんて、ごちそう以外の何物でもない。
この武道館3Daysのうち、一番楽しみにしていたと言っても過言ではない。
きっとそういうファンは一定数いると思っている。(いてくれ)
当日の様子はいろいろなところにライブレポが載ってるからそれを見て。
とにかくすごかった。すごかった以外の言葉を探すことが難しい。
あんなライブを企画してくれた、USGとUSGフィルハーモニックには感謝しかない。特にオケアレンジを担当してくださった伊藤翼さんの才能には脱帽するより他ない。あの曲であんなアレンジ入れる?!というものが随所に見られた。円盤化するらしいが、さらにお金積むのでCD化してほしいくらい。
印税問題は内輪で解決してくれ。(笑)
さて、その「オーケストラを観にいこう」。
武道館Day2の最後に演奏された曲だが、よくよく聴いていると、田淵の恋愛観を「これでもかっっっ!!!!」と詰め込んだ、なんともピュアでキュートな仕上がりになっている。
ここで「田淵の恋愛観」と言い切ってしまっているが、そうであってほしいという私の小汚い感情が入っているため、ご容赦ください。
もしかすると田淵本人はこんな恋愛観ではないかもしれないが、もはやそうであってほしいという私の願望だ。
(でも、あながち間違っちゃいない気がするんだよな…)
オーケストラを観にいこうよ まだちゃんと声にできないから
デートに誘うのに、クラシックコンサートをチョイスするあたり、
なんか気合の入れ方が違うように感じる。
クラシックコンサートが似合いそうな子なのだろうか。
それともオーケストラに所属していたり、楽器を嗜んでいる子なのだろうか。
着ていくお洋服ももちろん背伸びして、ちょっとシックな格好してみたり。
田淵かわいすぎんだろ。(妄想①)
30度を超えた日曜 浮かび始めた汗はそのままにして走る
間に合いそうかな
ちゃんとした格好してんのに走ったらダメだろ。汗そのままにしたらダメだろ。と突っ込みたくなるが、田淵だもん、しょうがない。(妄想②)
いつだかのFC限定ムービーで、田淵が作詞術をちょこっと披露している場面があり、その時に「最初は風景を想起させるような歌詞がいい」と言っていたのを考慮すると、まさにこの1フレーズでどのような状況なのかが明確に理解できる。
髪を切ったのも気づくし 好きな番組だって知ってるよ
ただ大事な事がまだ一つだけわかってない 依然信号待ち
これだけ君の変化に気づいてる(気づく)のに、大事な事(=君の気持ち)はわからない、という、なんとももどかしい心理描写が書かれている。
君の一挙手一投足にいちいち目を見張って、何も見落とすまいとしているのに、それに集中するあまり、肝心な君の気持ちに気づくためのヒントを見過ごしているところに田淵のツメの甘さを感じる。(妄想③)
なんとなく先に進めないもどかしさを「依然信号待ち」と表現しているのは秀逸。冒頭の、君との待ち合わせに走っている姿に呼応している。走っていきたいのに信号で一旦ストップ。気持ちばかり先走ってしまい、ああ、なんとももどかしい。天才。
吐息も聞こえる10センチ ねえ僕の気持ちに気づいてるの?
10センチを実際に計ってみた。けっこう近い。
しかも「吐息も聞こえる」って言ってるあたり、近づいてるのは顔と思われる。
開演前でも大きな声出すのはあまりお上品ではないので、顔を近づけて小声で話すんだけど、その時のことではないかと推測。
これ、近づいているのは顔でもいいんだけど、「肩」だったらもっとロマンチックだなぁ…。でも肩だと逆に離れすぎか。やっぱ顔だな。
(ホールの座席の距離感だと、普通に座ってるだけで肩の距離感10センチくらいよね)
物理的な距離は近づいたり離れたりしているが、心理的な距離感は図れないまま。なかなかこの君、小悪魔だな…。
意外に田淵は相手に好きバレするタイプではないかと思う。なにそれかわいい。(妄想④)
何気なく差し出され何気なく取ったチューイングガムのフレーバー
どうしてかな 書いてある果物とは違う 甘い香りだけが横切った
チューイングガムなんて、ずいぶん懐かしい単語を使うじゃない。
おそらく「チューイングガム」にこだわったわけではなく、
語感とかで選んでいるのだろうけど、このワードセンスに軽いノスタルジーを感じる人はいるのではないだろうか。あの板状のガムね。
書いてある果物のフレーバーとは違った香りは君のフレグランスだろうか。田淵は嗅覚も鋭い系の人か。(妄想⑤)私はちなみにマルジェラのレイジーを普段使いしている。(いらん情報)
コンサートの前にチューイングガムを差し出す君は、クラシックを好む割にそこそこポップな感性をお持ちと見える。そうか、田淵はそういう人が好みなんだな。(妄想⑥)
偶然の可能性とか もしや嫌われてしまうだとか
無駄が過ぎる想像も 目の前で鳴る旋律で無理やり解をつける
はいきたここでまた恋愛迷宮に迷い込んだピュアボーイ。
ここのフレーズは、恋愛においては「あるあるわかる~~~!!」みが深い。
余計な想像膨らませてドツボに陥り、考えることを放棄するターンって必ず来る。
「目の前で鳴る旋律」はもちろんコンサートの演奏であり、きっと君の一挙手一投足でもあると思う。
タクトみたいに揺れ動く 感情の迷いに合わせて
ああ 頭の中言葉たちが大合唱で どうやって選ぼう?
とうとう混乱し始めた中盤。
ちょっと話は脱線するが、この曲中、モチーフとなっている「オーケストラ」を連想させる単語がちりばめられているのが、個人的には好きだ。
ここのフレーズでも、それを想起させる単語が使われている。
僕の心理的揺れ動きとオーケストラの盛り上がりが見事にシンクロしているところがとても良い。(良い)
きっと周りの人たちからの助言なども、この「大合唱」に入っているのだろう。田淵は好きな人が出来たら、周りに積極的に相談するタイプなのだろうか。ぜひ交ぜていただきたい。(妄想⑦)
単純に奏でられそうな Sonatine from the heart
どんな名演奏よりも綺麗な自信はあるんだよ だけどさ
届け方は皆目見当がつかない!
ここのフレーズが一番好きである。
「Sonatine」を調べると「小さなソナタ(Sonata)」と出てくる。
「Sonata」を調べると「楽器によって演奏される曲を指す言葉」と出てくる。
自分の心の中のオーケストラが鳴らすからなのか、規模としては小さいけど、様々な楽器を使って、君への想いを鳴らす。それは世界的に有名なコンダクターが指揮する、世界最高峰のオーケストラよりも綺麗な演奏になる自信がある。
そんなご自慢の演奏を届ける術がわからないなんて!!!
ここにポンコツ極まれり、である。とても愛おしい。(妄想⑧)
オーケストラを観にいこうよ まだちゃんと声にできないけど
ああ 気持ちは膨れるばかりさ そんな今日は 一体第何楽章?
ここまで(勝手に)触れてこなかった「から」「けど」問題。
1サビとラストのサビでは「まだちゃんと声にできない『から』」と歌っているのに対し、ラストのサビ前の、このフレーズだけは「まだちゃんと声にできない『けど』」と歌っている。
語尾を変えるだけで僕の心理描写は格段に違ってくるのだが、『けど』と歌うだけで、今までの思考や状況を否定し、ひっくり返そうとする意志が見える。いよいよか?!いよいよ告白するのか?!がんばれ田淵!!!(妄想⑨)
そして、ここに『けど』が挟まることで、直後のラスサビの「から」の意味合いが、1サビとはまた違って感じられる。この手法、よく田淵が用いる手法であると感じている。
「第何楽章?」はきっと、君と気持ちが通じ合うまでの道のりが何楽章あって、現在地は第何楽章なのかを考えているのだと思う。クライマックスが近いことを祈りたい。
帰り道も君を想うのです oh yeah
一瞬の連続が最高の楽譜になるように
コンサートが終わって解散。楽しかった、夢みたいな時間を思いながら「君を想う」。結局何かしらの進展はないままなんだろうけど、それでもこの先を想像しつつ「走ってきた」道を帰っていく。切ない。甘酸っぱくて切ない。飽和状態の満足感と充足感を抱えて、途中一人でニヤニヤしつつ、次の章(次のデートの約束)のことを考えているのだろう。この終わり方最高じゃない?報われますようにと祈らざるを得ない。
ここまで歌詞を、クソデカ感情とこじれた妄想で綴ってきたが、歌詞と同時にとても大事だと思っているのが、この青春ど真ん中の直球ラブソングを、少し鼻にかかった甘い声で歌い上げる斎藤宏介(以下、斎藤くん。私は彼を以下略)であり、心躍るようなビートで、且つオーケストラの持つ雰囲気を損なわずに、甘酸っぱい世界観を下から支えている鈴木貴雄(以下、tko。私は以下略)である。特にtkoのドラムで、ラスサビ終わった後のスネアが大好きだ。ボレロのようなキレのあるタンタカタンタカがたまらない。
以前、オケに入団していた友人に聞いたが、オケにドラムが入っていると、ドラムの音が前に出すぎてしまって、あまり調和が取れないのだそう。弦の繊細な音色を壊さず、きちんとビートを刻むことのなんと難しいことか。これはひとえにtkoのおかげである。
あと、最後の方にオーケストラチャイムが鳴っているのだが、あれがまた祝福感を増長している。僕と君の未来に幸あれ。キンコンカーン。
武道館Day2で生でこれを聴いた時、私はとんでもなく大きな多幸感に包まれた。そしてDay2の帰り道、まさに歌詞にあるように君(この場合は君たち、がふさわしいかもしれないが)を想った。
こんな趣向を凝らしたライブを見せてもらって、しかも現地で感動をもらえて、心底私は幸せだと思った。きっとこんなライブは二度とないだろう。
私の人生、特にラッキーもアンラッキーもない平坦な人生だが、USGに出会えて、二度とない20周年をお祝いできて、この瞬間だけは本当にラッキーだったと思っている。
今回は「オーケストラを観にいこう」をピックアップしたが、まだ書きたい曲はたくさんある。
機会があれば、チャレンジしてみたい。
まずは書き切れたことを褒めたい。
いつもならハッシュタグとかつけないけど、今回はつけておきます。