肩痛を起こす選手のフォームの特徴
投球動作における体幹回旋運動と肩甲骨周囲の筋活動の関連性
肩痛既往と既往無しの2群に分けた
・投球時期の胸郭と骨盤の回旋量
・肩甲骨周囲の筋活動
を調べた。
肩痛群は
・ワインドアップからフットプラントにかけて胸郭の回旋角度の変化が低値
・MERからボールリリースにかけての胸郭の回旋角度の変化が高値
・ワインドアップからフットプラントにかけての骨盤の回旋角度の変化が低値
であった。
胸郭は肩痛群ではacceleration phaseで急激に角度変化を起こしているとわかった。
cocking前期では胸郭角度変化は有意に少なく、骨盤も角度変化が少ない事から、いわゆる「身体を開かない」様にして前足が着いてから回転運動を行なっていると考えられる。
これでは捻転差が生じずパフォーマンスも、低下していることが予想される
肩痛群がどういった経緯で痛みを発生させてしまったのか一概には言えないが、一つの理由として、捻転差が生じず球速が出ないため腕を強く振った結果、肩にストレスが生じ、痛みを発生させた。またacceleration phaseで胸郭を急速に回旋させるため上腕骨と肩甲骨間で剪断力が強まり肩関節に加わるストレスが強まった事も考えられる。