歩き続けた100km、その先にあったもの
誇れるものが少ない私だけど、
「100km歩いた経験」は一つ自慢できること!
「根性がないね、すぐ諦めるよね」
小さい時からよく言われてきた言葉。
そんな私を少しだけ変えるきっかけをくれたのは
Xtreme walk 100というイベントだった。
制限時間26時間以内に100km歩く、すごくシンプルですごくきついイベントだ。
ほとんど普段運動しない私が、会社の同期を誘い、このイベントに出た理由、
それは飲み会のネタになりそうだったからだ。
当日は朝8時からスタート。
前乗りで泊まったホテルの朝食は
いかにも普段から運動している、装備もばったりの人で溢れていて
場違いなことを自覚させられた。相模原の公園からスタートし、鎌倉の海岸沿いを通り、横浜を通り、豊洲にゴールする。
最初の50kmは思っていたよりも短く感じ、
チェックポイントでパンやジュースを楽しみながら、仲のいい同期との会話のネタが尽きることだけを心配していた。
急にきつくなったのは60-70kmを過ぎてから。
眠気と体のキツさで喋る余裕も無くなった。
横浜の観覧車をあんな最悪な気分で見るのは、これが最後だと思う。
同期との雰囲気は最悪で、このイベントの後も仲良くしてくれるのか不安になった。
チェックポイントで休むと、歩き出そうとしても激痛で前に足が出ない。
普段から運動していないのに、この大会に出るのは無茶すぎる、、
足の裏と関節と全てが痛くて痛くてたまらなかった、装備を入れ過ぎた鞄のせいで肩も痛くなり始めていた。
参加者の多くは普段はランナーの方が多く
足を引きづりながら進む私に何回も、
もうやめたら?怪我したの?と声をかけてくれた。
途中で諦めそうだったけど、なんとか最後まで歩き切れたのは
ほとんど喋らなくなった私を見捨てず気遣い続けてくれた同期とここで辞めたら何も残らないという気持ちだった。
結果、25時間19分というタイムでゴールした。
多分そんなに早くない、やればみんなできるかもしれない、それでも私はこの経験を誇っている。
ちなみに、足はちゃんとダメージを負っていて、仕事は1週間在宅勤務にせざるを得なかった。
社会人になると、より強みを見つけ出すことは難しくなる。
優秀な人はたくさんいるし、私が秀でているものは何だろうと真面目に考え込む時もある。
そんな時、100km歩いた!という事実は
少しだけ私を支えてくれる。
小さい頃、本当に私はすぐ諦める子どもだったのか、それは分からないけれど
言われた言葉はずっと覚えているし、自分にそうだと暗示をかけてしまう。
小さい頃の自分では想像できなかった未来、
粘り強く続けることを自分の長所と信じられること。
そして、このネタが飲み会でとてもウケているということ、