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8.シートベルトと看護師の疑問


命を守る車のシートベルト

今は、乗車する人は妊婦さんなど特別な事情が無い限り、必ずしなければならないものになりました。
こんな事書いてたら、私の年代がバレてしまいますね (;´Д`)

今回のお話は、そのシートベルトのお話です。


入院患者さんにはいろんなご家庭のいろんな事情があります。
私たちは出来る限りその事情や状況に沿った対応をします。
なので、看護学校では習わない事に直面することが多々あります。

ある日、入院していた患者さんが亡くなりました。
大抵のご家族様は、最期の面会をした後、葬儀社に連絡をし
葬儀社の方がご家族様の要望を確認して、ご遺体をストレッチャーに乗せ、ガッツリ固定して、専用車で運んで行きます。

しかし、今回のご家族様はご実家が遠方で、かつ経済的に厳しいので葬儀社への依頼はしない。息子さん一人で、運転する車にご遺体を乗せて実家にいきます。
という選択でした。

お見送りでは、息子さんに死亡診断書を渡し、(コレを持っていないと、ご遺体を車で運べない。法律違反となるそうです)ご遺体は息子さんの持ってきた綿毛布に丁寧に包み、息子さんの運転する車の助手席に、リクライニングシートを倒して乗せました。


いざ乗せてみてから気づいたのですが、ご遺体って納棺の事も考えて真っ直ぐを保っていたいから、膝を曲げない。
つまり、
座面部分に、かかと~膝が乗って
背面部分には、太もも~お尻。
腰・背中から上は、後部座席のリクライニングを倒して乗っている。

・・・シートベルトどうしよう (。´・ω・)?

・・・する?よね?・・・法律上要る?・・・のか?

そもそも、座面に尻が乗っていないから、ちゃんとした固定にはならない。
ご遺体の膝辺りにベルトとなる。
後部座席に至っては、首か顔面にベルトとなるやん!😱
・・・後部座席のベルトはあきらめよう。


急ブレーキをかけるような事態があれば、ご遺体はスライディング状態でスポーン!と流れるように座席から動いてしまうだろう。
(゚Д゚;)! ソンナコトガアッタラタイヘンダヨネ。コワイヨ。

私の土壇場脳内会議で出た回答は
とりま、助手席側のベルトだけはしておこう。充分では無いけれど少しは固定になるしね。その後の事は、息子さんに判断をお任せしよう。
どうかどうか、安全運転で、お気をつけて・・・。

他の人ならどうするだろう?ちょっと気になったお話でした。
おしまい。


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