18歳の私たちへ
青春真っ只中の高校生の時には誰もが一度はするであろう会話。
『うちら10年後とか何してるだろうね?』
『この中で誰が一番早く結婚するんだろう?』
95%が大学へ進学するような、その地域ではまずまずの進学校のJKだった私もクラスメイトとその手の話題にたびたび花を咲かせた。
ある時あまり仲が良いとは言えないが誰からも愛されるキャラクターの友人は私に向かってサラリと言った。
「たるとは10年後の同窓会で男の子三人連れて来そうだよね」
……いやいやいや。待ってよ、私は医者になって国境なき医師団に入るつもりなんだけど。10年後なんてバリバリ働いてる予定なんだけど。
模試でD判定しか出ないのになぜか医者になるつもりでいた私は心の中でつっこんだ。
でも私は医者にはなれなかった。見事に落ちたのだ。浪人を恐れた私は滑り止めで受かった旧帝大の4年制学部に入った。
時は流れ私は結婚した。25歳だった。私の知る限り高3のクラスメイトで一番最初だった。周りは驚いたようで、中学の時にお世話になった先生には「いや、案外結婚早くてびっくり。おめでとう」と言われた。
27歳の時に第一子を出産した。女の子を産む気満々だったが早々に男の子だと分かった。勝手に女児と思い込んでいたぶん、多少のショックは受けたが生まれた我が子は可愛かった。
その頃コロナが流行り出し、高校卒後10年で同窓会をしようと言っていたが無理な雰囲気、情勢であった。そして私もまた子育てに、仕事復帰に忙しくそれどころではなかった。
翌々年、第二子を出産した。男の子だった。
そしてさらにその2年後第三子を出産した。男の子だった。
そう。私は気づいてしまった。高校生の時に友人が何気なく言ったあの一言。当時は「そんな、そんなぁ」と言って笑っていたけれど結局現実じゃないか。もう30歳を超えてはいるけれど。男児三人。
今年の年末、10数年ぶりの同窓会がある。
ねえ、あの時の答え合わせができるよ。どこまで当たってたかなぁ。
ちなみに予言をした友人は現役で旧帝大の医学部に合格して今は女医をしている。私があきらめた夢の道を歩んでいる彼女を尊敬している。
#想像もしてなかった未來