![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144996656/rectangle_large_type_2_379bff0b2477d792f16de84d6f657c44.png?width=1200)
可愛らしく性的同意を取る方法が分からなかったので、ChatGPTに聞いてみた。
「彼氏が全然手を出してこない!」
既に3杯目のビールを飲みながら、A美は怖い顔で言った。
「私は、イチャイチャがしたいのに、彼が奥手過ぎて困る。どうしたら良いと思う?」と、本人は真剣に悩んでいる様子。
この手の話をするのに、午後10時過ぎ、居酒屋にて、同性だけの飲み会ほど、向いていないシチュエーションは無い。
案の定、「押し倒せ」「旅行に連れて行け」「酔わせろ」「『しよ!』って叫べ」等々、アドバイスとは名ばかりの、昭和的エールを、私と女友達2名はまくし立てた。
でも、ふと我に返った。
今は、女性から男性に対するセクハラも大いに燃える時代である。
カップル同士でも、同意を取らずに無理やり押し倒したり、酔わせて相手の判断能力を失わせるのは絶対NGなのでは…?
A美も腑に落ちない顔をしていた。
そうだ。彼女は、単に性欲を満たしたいがために悩んでいるわけではないのだ。
きっと、彼氏とロマンチックな方法で、より親密な関係を築いていきたいだけなのだ。
でも、真面目で奥手な彼を相手に、どう切り出せばいいのかわからないから悩んでいる。
なので、
「待って!ChatGPTに聞いてみる!」と私は言った。
私は仕事の都合で最近、ChatGPTを使い始めていたし、プロンプトの出し方についての本をいくつか読んでいたので試してみたかった。
A美と、他2名(K菜とY子)は、「え?」と驚いた顔をしていたが、すぐに「なにそれ。ウケる。」と乗り気になってくれた。
適切なアドバイスをもらうために、A美にお付き合いの状況と今の気持ちなどを簡単に聞き、私は次のようにAIに質問した。
「私は女性で、4か月間付き合っている彼氏がいます。いい加減、彼氏とイチャラブ(セックス)がしたい。女性から積極的に性行為に誘うのは、彼氏に幻滅されそうで怖いです。なので、可愛らしくて素敵だと、男性から思ってもらいつつ、性的同意を得たいです。どのようなデートプランと、誘い文句が良いと思いますか?3つほど考えてください。」
私たちが皿に残った料理を胃袋に片付けている間に、ChatGPT先生からの提案が返って来た。
『ChatGPT:
お気持ちを理解して、お互いにとって心地よいやり方でこの重要なステップを踏むことはとても大切ですね。ここに、あなたの願いをかわいらしく伝えつつ、お互いが心地良く感じるデートプランと誘い文句をいくつか提案します。
デートプラン1: ロマンチックな夜景スポットでのデート
誘い文句: 「今日の夜景、きれいだね。こんな特別な夜は、もっと特別なことしたいな。あなたともっと近づきたいな♡」
デートプラン2: お家デートで映画鑑賞
準備: お互いが好きな映画や、ロマンチックな映画を選んで、居心地の良い空間を作りましょう。お気に入りのスナックやドリンクを用意して、リラックスできる環境を整えます。
誘い文句: 「この映画、二人きりで見るのってすごくいい感じ…。映画の後で、もっと特別な時間を過ごしたいな。どう?」
デートプラン3: 二人だけの料理デート
準備: 一緒に料理をすることで協力し合いながら楽しい時間を過ごすことができます。料理する過程で自然とスキンシップが増え、親密さが増していくでしょう。
誘い文句: 「手作りのご飯、美味しかったね。あなたともっといろんなこと共有したいな。今夜は、私たちのための特別な夜にしよう?」』
私が読み上げると、
K菜から「なんか、あざと過ぎじゃない?」
Y子も「ふわっとしてて、逆に引く。」
A美は「あいつの読解力では『特別な夜』『特別な時間』の意味が正しく伝わらない気がする。」と言う。
ただ、3人ともお家で映画鑑賞と料理は、イチャラブシチュエーションには良いと思う、との事だった。
なので、次に私は「良い案ですね。しかし、もっと具体的にセックスがしたいことを仄めかす言い方が良いです。提案してください。」と、打ち込んだ。
『ChatGPT:
もちろん、もう少し具体的に気持ちを伝えつつ、それでも適度に控えめで魅力的な言い方を考えることができます。ここに、より明確にあなたの願いを示すための誘い文句をいくつか提案します。
提案1: ロマンチックなディナーの後で
誘い文句: 「今夜は本当に素敵な時間を過ごせているね。もっとプライベートな時間を二人で過ごしてみたくない?心も体ももっと近づきたいな。」』
私が読み終わらないうちに、Y子が「なんか初期のGoogle翻訳っぽい」と言った。
既に彼女はつまらなさそうに、自分のスマホをいじり始めている。
私は引き続き、ChatGPTの提案を声に出して読んだ。
『ChatGPT:
提案2: 映画鑑賞の後で
誘い文句: 「この映画、すごくロマンチックだったね…。ふたりの間にもこんなスパークが欲しいな。今夜、二人だけの時間をもっと深めてみない?」』
「スパーク!!??」と、3人が同時に叫んだ。
「スパークが欲しいって、どういう意味?」と混乱するK菜と、
「特殊なプレイがしたいように聞こえるんじゃない?」と大笑いのA美。
騒ぐ彼女達を無視して、私は続きを読み上げた。
『ChatGPT:
提案3: 一緒に料理をした後で
誘い文句: 「料理を一緒に作るのって、すごくいい感じじゃない?このまま二人の夜をもっと特別なものにできたらと思って…。今夜は私たちだけの、もっとインティメートな時間を過ごしてみたいな。」』
少しの沈黙の後、
「インティメートって、なんだっけ?」とA美が言い、「あ~!それ、TOEICの勉強する時に覚えた単語だわ…。」と、K菜。
「どんな例文で出てきたんだよ。」と、Y子。
私も、なんかもう、これ以上はAIにわざわざ聞かなくても良いかなと思ったのでスマホをテーブルに置いた。
A美はスッキリした顔をして、「もう面倒くさいからさ、『お前とイチャイチャしたいから、AIに相談しちゃったじゃないか!』って、彼に文句言う事にする!」と宣言し、グラスに残っていたビールを一気に飲み干した。
「彼にも読ませたいから、ChatGPTの提案をコピーして送って。」とのこと。
ChatGPT先生の提案したフレーズは、どれも私達には実用的ではなかったけれど、話を性的な方向へ無理やり振るためのネタ作りには、大いに貢献してくれたようだ。
私はスマホに「なるほど。わかりました。ありがとう。」とだけ入力して、ChatGPTに礼をした。※
すると、
『ChatGPT:
お役に立ててよかったです!他にも何か知りたいことがあれば、いつでも聞いてくださいね。』
と、丁寧で頼もしい返事。
私は「頼りにしてます!先生!」と心で叫んでスマホを握りしめた。
【補足】
※一説によると、良い回答には「良かった」と感想を述べることで、今後の回答出力の精度に影響するらしいので、私は極力AIに対してもお礼を言って会話を締めくくるようにしています。
※上記の事柄は、2024年4月上旬に経験したことを元に書きました。使用したのは当時のChatGPT4です。