「セミとアリ」は、ラ・フォンテーヌの詩に、サン=サーンスが音楽をつけた作品です。さっそく聴いてみましょう。(17曲目)
◎ エクトールの解説
歌曲「La Cigale et la Fourmi(セミとアリ)」
カミーユ・サン=サーンスは13歳でパリ音楽院に入学しました。
当時彼はフランス音楽の熱心な擁護者でした。彼の生徒にはガブリエル・フォーレがいました。(サン=サーンスは、ニデルメニエール音楽学校でフォーレを教えています。)
文学に情熱を持ち、ヴィクトル・ユーゴーを崇拝していた彼は、「死の舞踏」「動物の謝肉祭」「オルガン交響曲」など、約 120 曲のメロディー(=フランス語の歌曲)や器楽作品を作曲しました。
◎ ニデルメイエール古典宗教音楽学校
パリのニデルメイエール古典宗教音楽学校は、礼拝堂楽長を養成するための学校でした。ニデルメイエールの死後、ピアノ科教授として赴任したサン=サーンスは、新カリキュラムとして、ショパン、シューマン、リスト、ワーグナーらの音楽を加えています。
◎ マドレーヌ寺院
1764
ルイ15世、聖女マドレーヌに捧げる教会を建設
1789
フランス革命により建設中断(基礎工事段階)
1805
ナポレオン1世が、フランス軍を讃える神殿に
1815
ナポレオン失脚後、ルイ18世がカトリック教会に
1842
ついに完成
1849
カヴァイエ=コル方式のパイプオルガンが設置
マドレーヌ寺院の歴代オルガン奏者
1847-1858:ルフェビュール=ヴェリー
1858-1877:サン=サーンス
1877-1896:テオドール・デュボワ
1896-1905:ガブリエル・フォーレ・・・
◎Fable de La Fontaine
(フォンテーヌの寓話)
ラ・フォンテーヌ (1621-1695)
サン=サーンスの性格
音楽から推測できますか?
ル・ルー(バリトン)が演奏するサン=サーンス歌曲集のブックレットには、このように記載されています。サン=サーンスの性格が、音楽に反映されている様を感じてみましょう。
(組曲「動物の謝肉祭」でも、人間を動物に喩えて音楽化しています。)
La Cigaleって、セミ?キリギリス?
「アリとキリギリス」は「セミとアリ」だった?
ラ・フォンテーヌ(1621-1695)は、17世紀フランスの詩人。イソップ寓話をもとにした寓話詩で知られています。
フランス人なら誰しもが知る、強かに生きるための知恵
17世紀のフランスの詩人ラ・フォンテーヌは、皇帝ルイ14世の王太子に「人生の教訓を学んでもらいたい」との思いで、動物たちを主人公にしたこの寓話集を著しました。人生が変わる、ちょっとスパイシーな全26話。
ラ・フォンテーヌ《寓話集》
その扉をあけましょう