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オラトリオ『四季』から第4曲 アリア「農夫は今、喜び勇んで」より抜粋Oratorio [Les saisons] 

*作曲者:J.ハイドン(1732-1809)

ヨーゼフ・ハイドンはフランス革命の時代に生きた人です。四重奏曲や交響曲で有名ですが、晩年には宗教作品も作曲しました。(オラトリオ『四季』『天地創造』)

ハイドン 楽長職を辞した後は

1790(58歳)エステルハージ家のニコラウス公爵死去に伴い、29年間務めた宮廷楽長職を辞しています。

1791~92(59~60歳)初めてのイギリス訪問
1794~95(62~63歳)二度目のイギリス訪問

2度のイギリス訪問は大成功をおさめ、ハイドンは富と名声を得ました。
12曲の交響曲(ザロモン・セットまたはロンドン・セット)などの名曲を書き上げただけではありません。イギリスで死後30年以上経ってなお、ヘンデルのオラトリオが人気であることに感銘を受けたハイドンは、ウィーンに戻ってオラトリオを作曲します。

1796~98(64~66歳)オラトリオ『天地創造』
1799~1801(67~69歳)オラトリオ『四季』

オラトリオ『四季』


イギリスの詩人ジェームス・トムソンの叙事詩『四季』を元にして、ゴットフリート・ヴァン・スヴィーテン男爵が、英語詩をドイツ語に訳して台本を作成しました。

台本をめぐるハイドンと男爵との確執

スヴィーテン男爵と作曲者ハイドンの間に、いくつか確執が生じました。
第4曲「シモンのアリア」は、ハイドンの交響曲第94番『驚愕』の第2楽章(アンダンテ)のメロディを使用しています。それを男爵は批判し、当時流行したオペラのアリアにメロディを置き換えようとしました。この要求に対して、ハイドンは断固として拒否。男爵は腹を立て、ハイドンを訪問しようとしなかったと伝えられています。

第4曲「シモンのアリア」

シモン(畑仕事をする農夫)は、鼻歌まじりに歌っている様子…なんとオーケストラは、交響曲第94番「驚愕」第2楽章の旋律を演奏し始めます。


*聴いて発見


ハイドンはシモン (畑で口笛を吹く耕作者) のキャラクターに、深い男性の声(=バス)を選びました。


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