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ミラノにも隠されていたナチスのハーケンクロイツ

先日、Fondazione FS Italiane(FSイタリア財団)の10周年記念として特別に一般公開されている、Stazione Milano Centrale(ミラノ中央駅)内にあるPadiglione Reale(Royal Pavillion)の見学に行った。
会期は10月29日から11月23日まで、場所は、21番ホームの奥、22番ホームの手前にある。

私が初めてミラノに来たのは何を隠そう大学3年の夏休み、その後数度訪れた後に移住したので、在伊は十云年だが、20年以上見知ったミラノでこのような場所があることを初めて知った。もっとも、FS財団の発足が10年とすると、その前にはその部屋自体が物置状態だったとも考えられるが。。

さて、中央駅という誰もが通る大きな駅の構内にあるPadiglione Realeは、これまでは特別なイベントで稀に公開されることはあったそうだが、一般に向けて約1か月の間、予約不要で開放されることはなかったようだ(だから知らなかった、と言い訳しておこう)。
単なるFSの歴史のイベントであれば、ふ~んと聞き流しただろうが、ある夜、友達が「中央駅の構内の床にナチスのマーク付きの部屋があるらしいよ、(ネットにある写真を見せて)ほらほらこれだよ。○○(私の本名)、ユダヤにはまってるじゃん、機会があったら寄ってみなよ」いうのだ。
ちなみに、私の友達は南米人で、私たちは2人ともイタリア語でこのかぎ十字の呼び名を知らず、一緒にいたイタリア人の友達に「スヴァスティカのこと?」と聞かれてきょとんとし、「えっ、ナチスのマークってそう呼ぶの?」と1つ単語を覚える良い機会にもなった。また、"まんじ"には左まんじと右まんじがあり、その違いと併せて大いに話が盛り上がったこともあり、この機を逃すまい、と会社帰りに立ち寄ったのだった。

卍についてとナチスがこのシンボルを採用した経緯(抜粋):
『新漢語林』では、卍は「もと、仏の胸上にある吉祥万徳(幸福と功徳)の標識。 それを中国の役者が万の字の代わりに用いた」と説明されている。 そもそもこれは漢字ではなく、インドで吉祥の印として使われていた象形文字だった。---------- 云々 ----------
ドイツの考古学者、ハインリヒ・シュリーマンがトロイの遺跡の中で卐を発見し、卐を古代のインド・ヨーロッパ語族に共通の宗教的シンボルと見なした。

Wikipedia ハーケンクロイツより

さて、Padiglione Realeの簡単な説明と展示物の写真へ。
この部屋は、750MQの広さがあり、かつては貴族や社会的地位の高い人たちが待合室として使用していたそうである。そして戦時中には、トイレの鏡の裏にある秘密の非常口を通って、王や妃が非難するのに使用されていたそうだ。そのトイレは、現在は立ち入り禁止となっているため、残念ながらどのような非常通路があったのかはわからなかった。

Padiglione Realeの入口
昔の列車内の椅子の展示1
昔の列車内の椅子の展示2
昔の列車内の棚
蒸気機関車の先頭車のモーター

記念に写真をささっと撮り、スヴァスティカ探しに入るが、ここで大きな問題が発生。なんと、床のスヴァスティカのある場所全てが赤いカーペットで隠されているではないか!!
「なぬっ」と思い、地下階にいた警備の人に、
「すみません、△△の記事でこのモザイクの写真を見たのですが、どこにありますか?」とまずは本題ではないところから話を切り出す。
警備員:「それ、今修復中で隠されてるから見れないよ」
私:「それは残念。では、、、実はスヴァスティカがあるって聞いたけれど、それはどこにありますか?」
警備員:「1階のカーペットの下だよ、見たければちょっとはがして見てみたら?」
私:「そんなことしていいの?」
警備員:「元に戻しておけばちょっとくらいいいんじゃない?」
私:「じゃぁやっちゃいますよ(笑)」
警備員:「どうぞどうぞ」

画して私は1階に戻り、FSの社員の目につかない奥の隅のカーペットを剥がしにかかる。
1か所目はぴっちり貼り付けていて剥がれない。少し内側に移動し2か所目にかかるが、2か所目も5cmくらいしか剥がれないし、人目が気になる。
反対側の隅に移動する。私と同年代の女性2人が休憩用に備えられた椅子に座って話しており、害がなさそうなので、その人たちの横で剥がそうと試みる。なんと、スルリと剥がれるではないか。10cmくらい持ち上げた時、彼女たちが私をじっと見つめたので、「この下にスヴァスティカがあって、下で聞いたらちょっとなら剥がして写真を撮ってもいいよ、というから試してるの」と説明したところ、「あら、スヴァスティカがあるの、私たちも見たいから手伝うよ」といい、3人してカーペットを剥がし、写真を撮り、カーペットを元に戻す。
3人そろえば文殊の知恵的な要素で、ササっとミッションを達成した私は、にんまりし「ありがとう、今凄い達成感がある、またね」と彼女たちに手を振り、出口へと急いだ。

本題のスヴァスティカ。貴方を見つけるのに苦労しました(笑)

そういえば、2年前の夏、コロナ禍で夏季休暇に日本に帰れなかった私は(隔離期間があったのと、帰る雰囲気ではなかったので自重したのだ)、一人でAuschwitzに見学に行ったのだった。
その時の話も、いつかここで披露できたら、と思う。



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