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27番目のアルファベット?「&(アンパサンド)」の歴史
先日、語源に関するとあるフランス語のショートビデオの中で、興味深い内容に出くわした。
それは、&(アンパサンド、英ampersand、仏esperluette)がもともと27番目のアルファベットで、EとTから、つまりラテン語のet(and)から成り立っている、というものだ。
もしかしたら一般的には知られていて、私が無知な少数派かもしれないが、自分の記憶に残すため、この記事を書くことにした。
アンパサンド(&)は、並立助詞「…と…」を意味する記号で、ラテン語で「…と…」を表す接続詞 "et" の合字を起源とする。
【語源】
and (&) per se andが転訛したもので、& の記号は、ラテン語で "and" を意味する "ET" または et の合字が元になっている(Geoffrey Glaister, Glossary of the Bookより)
英語で教育を行う学校でアルファベットを復唱する場合、その文字自体が単語となる文字("A", "I")については、伝統的にラテン語の per se(それ自体)を用いて "A per se A" のように唱えられていた。また、アルファベットの最後に、27番目の文字のように "&" を加えることも広く行われていた。"&" はラテン語で et と読まれていたが、のちに英語で and と読まれるようになった。結果として、アルファベットの復唱の最後は "X, Y, Z, and per se and" という形になった。この最後のフレーズが繰り返されるうちに "ampersand" となまっていき、この言葉は1837年までには英語の一般的な語法となった。
アンパサンドの起源は1世紀の古代ローマにまで遡るそうだ。当時の書記官が、自身の仕事である「文字書き」の速度を上げるために筆記体を使用しており、E と T はしばしば合字として繋げて書かれていた。このように複数の文字を組み合わせてひとつの文字として表現することで、「時間の節約」と「文字間」の問題を解消していたそうだ。
それに続く、流麗さを増した新ローマ筆記体では、様々な合字が極めて頻繁に使われるようになったが、その後、9世紀のカロリング小文字体に至るラテン文字の変遷の過程で、合字の使用は一般には廃れていった。しかし、et の合字は使われ続け、次第に元の文字がわかりにくい、言い換えれば、よりスタイリッシュな字形に変化していったそうだ。
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色々なアンパサンド
時と場所は変わる。
1700年代初期まで、イングランド全土の学校は言葉をつづる際に「per se」というフレーズを頻繁に利用したそうだ。「per se」は「自分自身に」を意味するワードになる。
それと同時に、「&」は英語のアルファベットにおける27番目の文字として教えられていた。学校で「Z」の次に来るアルファベットとして「&」が教えられたことで、アルファベットを順番に読んでいく際は「X、Y、Z and per se and」と読まれていたそうだ。この「and per se and」というフレーズがひとつの単語として使われるようになり、それ以降、「&」は「アンパサンド」と呼ばれるようになった。その後、1837年までには「アンドパサンド」という単語として辞書に載るようになった。
私たちが普段何気なく書いている「&」にこんな歴史があったと知り、へ~、ほ~、っと一人で昼休みに頷いている自分がいた。
イタリア語で「&」は「e」と表記するため、「et」と表記するフランス語を真面目に学習するようにならなければ、このような歴史を知ることもなかったかもしれない。
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