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休職銭湯日記⑬「新とそ温泉」のプールでバタ足をする(鹿児島市唐湊)

 今回訪れたのは「新とそ温泉」だ。名前に「新」とつくが、実際に足を踏み入れてみると、むしろオールドな雰囲気が漂う。
 「女湯」の暖簾は、うさぎだか猫だかわからない、あまり見たことのないキャラクターが描かれていた。レトロな暖簾をくぐると、脱衣所は広々としていて開放的だ。浴場もとにかく広い。大きな窓があり、桜島が一望できた。東京の銭湯にはよく壁に富士山が描かれているが、鹿児島は絵ではなく実物の桜島がある。
 10メートルぐらいのプールがあり、おばあさんたちが歩いていたり、バタ足をしたりしていた。「ボール遊びをしないでください」「水鉄砲で遊ばないでください」という注意書きがあったが、「泳がないでください」とは書いていなかったので、泳ぐのはおそらくOKらしい。「子供さんをプールに投げないでください」という注意書きが印象的だった。ここは、戸塚ヨットスクールか。バタ足をしている人の真似をして、手すりにつかまり、バタ足をしてみる。裸で入るプールは初めてだったので不思議な感じがした。
 ブクブクと沸くお風呂、電気風呂、寝風呂、サウナ、ぬる湯、プールを行き来して、身体を疲れさせると、水風呂で静かに整った。
 東京から実家に帰ってきて、10日間ぐらい経つ。8時ごろに起き、朝食を食べ、午前中は父に車で銭湯に連れてってもらう。11時半ごろに、母がスーパーに食材の買い出しに行くのについていく。お昼を食べ、その後は15時半ごろまでだらだら。16時半ごろから父と公園に行きウォーキング。夜は母の作った食事を食べ、その後、少しTOEICの勉強をしたり、原稿を書いたりして、23時頃に寝る。ただそれだけのことをして過ごしている。
 先ほど、「ライター養成講座」をオンラインで受け、有名な雑誌の編集長をされていた、いかにもキャリアウーマンという方の話を聞いた。毎日、日経の他に2誌を読み、本を読む際は気になるところに付箋をつけながら読んでいるそうだ。私なんて、日経の有料会員になっているが1年近く、アプリを開いてすらいない。
 そうだ、人と比べないんだった。今は銭湯に行く楽しみがあるので、それだけに集中して自分の人生を生きよう。

 

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