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山手
1.名前について:「山手」は、横浜市中区の丘陵地一帯を指します。居留地の外国人たちは、海から見ると切り立った崖の上にあったことから、「THE BLUFF (断崖・絶壁)」と呼んでいたそうです。
2.山手ってどんな所?:山手は港や市街地を望む丘陵地に広がる閑静な住宅地で、洋館や外国人墓地など新しい文化の発信地で、商業・観光・文化レクリエーション地区など多面的な側面を持つ地区です。また、丘陵の斜面地にまとまりのある緑が保全されています。
①外国人居留地:1867年(慶応3)に山手地区は居留外国人に対して住宅地として開放されました。異人館のみならず、居留外国人の生活を支える病院・学校・公園・墓地などの施設が充実し、山手文化の華を咲かせました。そして、1899(明治32)に居留地は撤廃されました。
②洋館と貿易商人:外国人居留地の面影が残り、異国情緒あふれる街並みの山手には、7つの西洋館が佇み、西洋文化発祥の地として、多くの観光客が訪れます。中でもエリスマン邸、ベーリック・ホール、ブラフ18番館は貿易商の邸宅として建てられ、貿易商人との強い結びつきがあるのが特徴です。
③文教地区:明治期に開校したインターナショナルスクールをはじめとして、幼稚園から大学まで数多くの教育機関が立地しています。また、横浜開港後日本最初の聖堂である横浜天主堂(現在のカトリック山手教会)をはじめとして、山手には教会が多く見られます。
④日本初のビールや煉瓦が伝わる:1869年(明治2)に居留地の外国人向けの日本初のビール醸造所「ジャパン・ヨコハマ・ブルワリー」が開始し、
5年程操業しました。また、山手には明治中期ごろに煉瓦造りの本格的な洋館ができ、異国情緒あふれる街並みになりました。
3.山手の歴史:幕末から現在までの山手の歴史について簡単にご紹介します!山手の街並みに歴史を感じながら散策するのも良いですね✨
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4.実際に行ってきました!:私たちが訪れた山手の洋館と周辺のスポットをいくつかご紹介します。
🌹エリスマン邸:1925年(大正14)~1926年(大正15)にかけてスイス人貿易商F.エリスマンの邸宅として建てられました。設計は、「近代建築の父」といわれるチェコ人の建築家A.レーモンドです。煙突や上げ下げ窓など洋風住宅の意匠と軒の水平線を強調した木造モダニズム的要素を持っています。また、レーモンドの師匠である世界的建築家F.L.ライトの影響も細部に見られます
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🌹ベーリック・ホール(旧べリック邸):1930年(昭和5)にイギリス人貿易商B.R.べリックの邸宅として建てられました。現存する山手の外国人住宅の中でも一番の規模を誇ります。第二次世界大戦前まで住居として、その後はインターナショナル・スクールの寄宿舎として、そして今日まで長く愛されてきました。
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ベージュの外壁にエメラルドグリーンの窓枠がアクセントになったお洒落な外観です✨
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お気に入りのデザインを見つけてみてはいかがでしょうか。
🌹えの木てい:1972年(昭和47)に建てられた純英国式の洋館です。アメリカ検事の住宅として住み継がれていました。1979年(昭和54)には、創業オーナーである日本人夫妻によって、西洋文化を楽しめるカフェとしてオープンしました。現在でも、実際の洋館で当時の食文化や雰囲気を体験できる憩いの場として親しまれています。
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5.おわりに:今回ご紹介したもの以外にもまだまだ魅力的なスポットや発見がたくさんあるエリアです。山手に残る日本と海外との繋がりの歴史や当時の人々に思いを馳せながら、実際に散策してみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/