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『読書感想2』


『灯台へ』


Virginia woolf 1882-1941
England

ウルフは、人間がとても好きなのでしよう。人間に対する観察力が繊細で綿密に描かれています。
ウルフは、日常の生活の中で人間が深いところで持っている精神の状態、心の動き、人間の深層心理を描く能力が秀でています。

第一章では、ラムジイ夫人の目と心を通して、別荘に滞在する人間を、ある時は遠くから、ある時は近くに引き寄せさまざまに人格描写します。

第二章では、最も「構成のすばらしさ」が読者を魅了し、計算された「時間の流れ」が際立ち強い印象を与えます。
別荘の中は、雑然と昔の物が埃をかぶって荒れ果てた風景があり、10年の経過「時の流れ」があることを読者に語りかけます。
この10年の間に戦争があり、ラムジイ夫人が亡くなり、長男アンドリューの戦死、長女ブルーも死んでしまった。
別荘の中には、この10年の間に死んだ人間、生きてまたこの別荘を訪れた人間の足跡があります。

第三章では、画家のリリーブリスコウが、再び活動の始まった別荘の情景と人間を絵を描くように語って行きます。その中ラムジイ氏と息子ジェームスの心の和解も感動を与えます。
リリーブリスコウは、一本の線を真ん中に引き「できたわ!」「これで終わったわ!」と絵筆を置きます。

物語は終わりました。
巧みな終わり方だと思います。

ストーリーとしては、興奮するようなクライマックスも、刺激を受けるような状況や設定もありません。自然にゆつくり、内面から読者の精神を盛り上げて行くような
感性の充実を感じました。
終わりまで一息に読ませる構成の巧みさ、文章の美しさが残りました。

読んで頂き
有り難うございました。









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