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ニコニコ作戦と、もうひとつ。   [Footwork & Network vol.24]

 思わず話しかけたくなる人っていますか。茶目っ気があって、人懐っこくて、盛り上がったり、落ち込んだりを繰り返しながら、「人」に対する優しい想いで、前へ進んでいく。言葉を交わすうちに、自然と自分も笑顔になっている。私にとってのそんな人、小西政弘さんを紹介します。

小西政弘さんという人-

「みんな突然やけど今日の夜って何してる?」
2月24日、小西さんから有楽町にある SLIT PARK のイベントに一緒に行こうとお誘いをしてもらいました。学生と社会人が集まり、食べ物を片手にカジュアルに将来のことを考える集まりです。少し緊張しつつも、会場へ行くことにしました。
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 小西さんは、福井市役所から転職をした後、現在は一般社団法人エコッツェリア協会が運営する 3×3Lab Future (※)にいらっしゃいます。エリアマネジメントだけではなく、社会課題の解決に向けた様々なイベントの企画をされている小西さんは、官と民、都市と地方のどちらも経験されている、まさに境界を行き来する人です。

働き方・暮らし方-


 そんな小西さんの素敵なところは、”仕事” と ”暮らし” が混然一体となったライフスタイルであることです。私が33ラボにいるときは、必ず複数のプロジェクトのために働いていて、(日曜日の22時まで働いている姿を見たときは心配になりました)ほぼ毎日、夜遅くまで働く姿は、確かにバイタリティーがある方だとしても、辛いんじゃないかな…と思いました。
「何もできなかった学生時代の反動」と、小西さんは言うけれど、仮にワークライフバランスという言葉にあてはめるとしたら、ライフはほぼゼロなんじゃないかと思うほどです。それでも不思議なことは、小西さんがそんなに無理をしているような感じもしないということです。私がイベントの人集めに困っている時も、3×3Lab Future のメーリングリストに告知の文章を流してくださったりして、自分の仕事にひたすら追われているようなこともないのです。
 そんな、人のための仕事が、自分のライフにもなっている、絶妙なバランスの小西さんは、イベントでも素敵な振る舞いをします。
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人の話をする効用-


 小西さんが誘ってくれたSLIT PARKのイベントの大部分は、交流タイムでした。たくさんの知らない人たちと話す時間は、ちゃんとこの場に「いる」ことができるだろうかと、胸の底がきゅっと絞られ、気持ちが張り詰める時間でもあります。このとき、私は決まって、とりあえずニコニコして、周りに溶け込んでいる感を出すことでうまく時間をやり過ごそうとするくせがありました。これをニコニコ作戦と自分で呼んで、交流の機会があるたびに使っていました。

 小西さんと私を含めた5人で、円を囲むように立ち話をする格好になったとき、私はいつものようにこの作戦を使おうと思っていましたが、その必要はありませんでした。小西さんはおもむろに口を開くと、小西さん自身の話ではなく、私が活動してきたことを、新しく出会う人たちに紹介してくれたのです。その言葉によって、「居やすさ」は格段に変わり、救われたなと感じました。

人のために話すということ‐


 このSLIT PARKのイベントの、小西さんの振る舞いで、自分は今まで「話すこと=自分のため」だと思っていることに気づきました。話すという行為が、周りの人から「良い」と思われたり、場を占有するためであるという意識があり、だからこそ、しゃしゃり出るようなことはしたくないと思っていました。けれども、その場にいる自分ではない人を紹介するために話すのであれば、紹介してもらった人も居やすくなります。また、相手を優先するせいで、結局自分が話に入れなくなるという本末転倒なことをやっていた自分ですが、人のために話せば、その人も話しやすくなるし、さらに自分自身も喋った感じになります!

 いままで相手に譲ることをギバー的な振る舞いだと思っていましたが、真のギバーとしての振る舞いは、自分がその場を譲ることではなく、自分自身のその振る舞いによって、そこにいる人たちが「居やすくなる」ようにすることなのかもしれないと思うようになりました。ニコニコ作戦はこれからも出番は多いかもしれないけれど、それに加えて、人のために話していこうと思います。いつも人に囲まれている小西さんの魅力が、またひとつ分かった気がします。

 (※)3×3Lab Futureは、産官学民とのパートナーシップを図り、大丸有(大手町・丸の内・有楽町)エリアのまちづくり推進や、エコに関する調査研究と情報発信、各種イベントの開催など、さまざまな活動を行っている場所です。


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