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オンライン診療3ヶ月経過レポート:FastDoctorでの診療環境と実態


はじめに

FastDoctor勤務を開始して約3ヶ月が経過し、オンライン診療にも慣れてきました。前回の初回勤務のエピソードから状況は大きく変化し、診療環境も整ってきましたので、その報告をさせていただきます。

なお、前回の記事を読んでいただいたFastDoctorの代表取締役 菊池亮さんから"スキ"コメントをいただき、一安心した次第です。

診療環境について

カルテシステムの特徴

FastDoctor独自のカルテサイトがWeb上に存在しており、以下の機能が一括して利用可能です:

  • 診察待ちの患者情報確認

    • 待合室に待機している患者さんの一覧が表示され、それぞれの主訴や基本情報を確認できます。これにより、効率的な診療準備が可能となっています。

  • 事前の問診内容閲覧

    • 患者さんが事前に入力した問診内容を確認できるため、診察前に症状の概要を把握することができます。特に急性期の症状や既往歴などの重要情報を事前に確認できる点が有用です。

  • カルテ記載

    • 診察中にリアルタイムでカルテ記載が可能で、テンプレート機能も充実しています。過去の受診歴がある場合は、それらの情報も即座に参照できます。

  • オンライン診療画面(患者さんとの通話画面)

    • カルテシステムと同一画面上で診療が行えるため、画面の切り替えが不要で、スムーズな診療が可能です。通信品質も安定しており、ほとんどの場合問題なく診療を行えています。

  • 処方機能

    • 電子処方箋の発行がスムーズに行え、近隣の薬局情報も含めて一元管理されています。処方履歴の確認も容易で、重複処方の防止にも役立っています。

改善要望点

  1. 患者の時間経過の可視化

    • 通常の救急外来や一般外来では、患者さんの診察申し込みからの経過時間や現在の状態(看護師の問診中か、受付段階かなど)が把握できますが、現状のシステムではこれらの時間経過が明確になっていません。

    • 特に急性期の症状を持つ患者さんの場合、症状発現からの経過時間は重要な医療情報となるため、この点の改善が望まれます。

    • 待ち時間の可視化は患者満足度の向上にも直結する重要な要素です。

    • この点については、LINE経由で運営側に改善要望を提出し、現在検討中との返答をいただいています(2024年12月20日追記)。

診療環境の改善点

  • 背景設定機能の発見

    • 当初は背景画像の変更が困難だと考えていましたが、設定を確認したところ、Zoom会議同様に背景をぼかす機能が利用可能でした。

    • この機能により、プライバシーの保護が強化され、自宅以外の場所でも診療がしやすくなりました。

    • 具体的には、駅の個室ブースや自家用車内などでも、プロフェッショナルな診療環境を整えることができるようになり、場所の制約が大幅に緩和されました。

    • また、自宅での診療時も、プライベート空間が映り込む心配がなくなり、より集中して診療に取り組めるようになりました。

患者層と診療実態

受診傾向の特徴

  • 時間外診療希望の傾向

    • 救急外来受診レベルというより、時間外診療を希望する自己都合による受診が大半を占めています。

    • 日中の一般診療所が開いている時間帯でも、仕事の都合などで受診される方が多く見られます。

    • FastDoctorが当初想定していた救急医療の補完という理念とは異なる利用形態が増加しています。

現状の課題

  1. 患者層の特徴

    • 平日日中の受診者は比較的軽症の方が多く、感冒症状や軽度の胃腸症状などが主な受診理由となっています。

    • "いつでも、どこでも"という利便性を重視する傾向が強く、必ずしも緊急性の高くない症状での受診も目立ちます。

    • 一部の患者さんでは、診療中の喫煙など、適切な診療環境を維持することが難しい場合もあり、コンプライアンスの面で課題が残ります。

  2. 医療管理の課題

    • オンライン診療の特性上、短時間での患者教育や生活指導が必要となりますが、十分な時間を確保することが困難です。

    • 慢性疾患の継続管理においては、対面診療と比べて細かな状態把握や指導が制限される面があります。

    • 処方に関しては、患者さんから最大量を求められるケースが多く、適切な処方量の調整に苦慮することがあります。

  3. 救急医療との関係

    • 実際の診療では、本来の救急受診が必要なケースは全体の約2割程度にとどまっています。

    • 運営面での収益性を確保しながら、適切な医療の質を維持するバランスが求められています。

給与面と勤務形態

給与体系

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