【創作の中毒×中毒の創作5】
「ノロイノロノロ、ノロノロノロイ」
医師は、再び、呪文のようなものを唱えた。
『うねうね』
白い人間らしきものは、床を這っている。
ノロイの呪文に操られるように、ナメクジのような動きをしながら、医師の隣に置かれたグロい人体模型に、付着した。
べっとりと付着したまま、動かなかった。
(げ)
俺は、言葉が出なかった。
これは、人間なのか。バケモノなのか。異界からやってきた悪魔の類いなのか。
「ははは。驚いているな」
マッドサイエンティストの医師は、俺の挙動を見て笑っている。
本当に楽しそうで、イラつく。
この医師は、悪趣味。
精神科に通っているメンタルの弱い、俺のような患者に、こんなバケモノを見せて喜んでいるなんて、本当に悪趣味としか言いようがなかった。
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