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虫を殺しても人間に影響が無いと思う浅はかさ。地球上の全てが繋がり循環している事に何故、目を向けないのか?

先月、テレビの報道特集で「ネオニコ系農薬」についての放送があったようでして。うちにはテレビが無いので、私はYouTubeで拝見しましたが、内容としては「虫にしか影響がない」と言われ、農家の間で広く使われているネオニコチノイド系の農薬が人体にも影響があるのではないかという話でした。

世界的にも日本の農薬や放射能に対する基準が緩いと言われていますし、個人的にこの国を信用していないので、農水省が哺乳類には無害とされる量のネオニコチノイドを投与したラットに明らかな行動異常が現れたところで驚きもしませんが、私としては「何故、虫を絶滅させて人間に影響がないと思うのか。」というのが引っかかる訳です。農薬を開発し、許可したり販売したり使用する流れの中で、誰も「生態系」という所に考えが及ばないのかが疑問なのです。

ネオニコチノイドは虫の神経を麻痺させる効果があり、農作物の害虫であるカメムシ等を殺す為に畑や田んぼに広く散布するのですが、当然、益虫である虫にも影響が出て、養蜂家の蜜蜂が死んだり行方不明になります。他にもトンボや蝉など様々な虫達が激減することで、それらをエサにしていた小魚やドジョウ、ウナギも激減。そうなれば、それらを食べていた鳥達や小動物も減っていきます。実際、佐渡島のトキは、島全体で農薬の使用を止めてから数が増えたそうなので、生態系で繋がっている事は明らか。地球上の全ての生き物は生態系で繋がっていると中学校位で学んだ気がするんですけどね。

私自身、自然農法で野菜を作り始め、育ってきた野菜が虫に食べられボロボロになっていくのを見ると農薬をかけたくなります。営農されている農家さんにとって、作った野菜や米が害虫被害にあって出荷できなくなるのは死活問題です。農家さんの中には、出荷用には虫がつかないよう農薬を使い、「体に悪いから」と自分達が食べる野菜には農薬を使わない方もいます。私が自然農法をしているのは自分が食べる野菜の安全性もありますが、生態系を優先するからです。畑の中にいる多種多様な生き物や目に見えない菌類、生えてくる雑草と言われる植物達も全て生態系の一部で、全てが繋がり合って地球環境を作っています。今は人間がその頂点にいるのかも知れませんが、だからと言って生態系を独占できる訳ではありません。ネオニコチノイドが人体に影響を及ぼすかどうかの前に、害虫を絶滅させれば地球全体に影響が及ぶという事をもっと真摯に考えるべきだと思うのです。


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