写真の発明が与えた視覚芸術 ダゲールとトルボット
写真の発明は、19世紀以降の視覚芸術に大きな影響を与えた。写真は絵画といかなる点において異なっていたのか、ダゲールとトルボットの写真に対する考え方を考える。
ダゲールは、「ダゲレオタイプ」を富裕層の個人に販売しようとしており、そのために宣伝用のチラシを作成した。
彼はこの写真術を「カメラ・オブスクラの内部に受け取られた自然の映像を自発的に再現するもの」と説明し、その実用性を強調した。
彼は、「ダゲレオタイプ」をアーティストや職人の手を借りずに自然を再現する方法として位置づけ、これを「自発的再現」という写真の定義の一部とた。
一方で、ダゲールは伝統的な画家でもあり、写真と芸術の関係に複雑な思い入れを抱いていた可能性が示唆されている。
彼は「デッサンの素養」を不要にする写真の実用性を称賛しながらも、自身の画家としての評価に執着していた可能性がある。
このような複雑な背景から、写真と芸術の関係についての議論が生まれた可能性がある。
ダゲールは写真を実用的な技術として位置づけ、自然の再現に焦点を当てましたが、同時に彼の芸術家としてのアイデンティティとの葛藤が存在していたことが示唆されている。
トルボットは写真に対する視点は独自であり、その背後には科学的なアプローチと19世紀当時の文化的背景が影響を与えていた。
又、富裕な地方貴族であり、科学者、考古学者、語源学者、政治家など多くの分野で活動していた。彼は「アマチュア」科学者で、自己資金を使って個人的な研究に取り組んでいた。
トルボットの写真発明は、植物学、光学、数学、内燃機関の研究など、さまざまな分野の知識と関連づけられている。
彼は「フォトジェニック・ドローイング法」と呼ばれる写真技術を開発し、これを実現するための実験に取り組んだ。
文章とその写真技術は、「自然」の概念と深く結びついており、彼のアプローチは、写真が自然のプロセスに基づいて自発的にイメージを生成するものであるという視点に焦点を当てている。