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インテリム人材ーフリーランスが臨時的にマネジメントを担う仕組み
はじめまして、馬場 一士(ばば はじめ)と申します。
新卒でアクチュアリーとして日系生保に入社した後、
外資コンサルファームの部門責任者を務め、
外資人材会社のカントリーマネージャーを経て、
40代で起業するという異色(?)のキャリアを歩んできました。
昨年6月に立ち上げたクラレザパートナーズ合同会社では、
主に外資企業にインテリム人材を提供する事業を行っています。
今回初めての投稿ということで、
「インテリム人材とは何なのか」を
主題に綴っていきたいと思います。
外資で人事や採用に携わる方や、
フリーランスとして働くことを検討されている方に
読んでいただけると嬉しいです。
(もちろんそれ以外の方も大歓迎!)
インテリム人材とは
知人に起業した旨を話すと、大体の反応は、
「インテリム・・・って何?」です。
あまり馴染みのない言葉なので無理もないですよね。
カタカナで書くと分かりづらいですが、元々の英語はInterim。
Interimは「暫定的な」とか「臨時の」といった意味です。
インテリム人材とは、
「企業の要職の職務を臨時的に担う人材」です。
ここで言う要職とは、基本的にマネージャー層以上の役職です。
組織のマネジメントに責任を持つ管理職や、事業の核となる役割を担う専門職などをイメージしてもらえればと思います。
そのような企業の要となるポジションが空席となってしまった際に、
臨時的にその職務を代行するのがインテリム人材です。
インテリム人材が具体的にどういった場面で使われるかというと、
要職にある者が退職してしまい、後任がすぐに採用できないとき
要職にある者が休職することとなり、復帰までの期間その役割を担う人材が必要なとき
重要な社内プロジェクトを任せられる人材を必要としているが、期間限定のため正社員のヘッドカウントは増やしたくないとき
…などが例として挙げられます。
海外ではインテリムマネジメント(Interim Management)という名称で呼ばれることも多く、その名のとおり、臨時的に企業のマネジメントを担う人材を提供するサービスとして定着しています。
中でも特にヨーロッパ諸国で広く普及しており、例えばドイツのインテリムマネジメント業界団体であるDDIMによると、同国のインテリム市場規模は2023年に27.5億ユーロ(約4,300億円)と見込まれています。日本の人材紹介サービスの市場規模が約3,000億円ですので、かなりの大きさと言えるでしょう。英国にもインテリムマネジメント協会なる組織があったりします。
当社ではインテリムの需要はマネジメントに限らないとの考えから、
インテリム人材(Interim Talent)という名称を使っています。
インテリム人材サービスの仕組み
前セクションでは、インテリム人材とは
「企業の要職の職務を臨時的に担う人材」という説明をしました。
ある外資企業でこのようなインテリム人材へのニーズが生じたとします。
例えば、人事部門のヘッドが他社に転職してしまったケース。
社内にReadyな後継者はおらず、後任の採用にも時間がかかりそう。
その間の職務を担ってくれる人がいたらありがたいが・・・。
人事部門ヘッドの経験とスキルがあり、
英語で本社やリージョンとも連携できて、
数か月という限られた期間のみ働いてくれるインテリム人材・・・。
そのような人材は見つかるでしょうか?
まさにそういった人材を提供することに特化しているのが
インテリム人材サービス会社です。
当社ではグローバル企業でマネージャーやプロフェッショナルとして優れた実績を上げ、即戦力として活躍できる人材に登録いただいています。
彼らは主にフリーランスのため、期間限定で働くことも問題ありません。
インテリムとしての仕事がないときには、社外取締役やそれぞれの専門性を活かしたアドバイザー等として活躍されている方が多いですね。
インテリム人材サービス会社は、クライアント企業から受託したインテリム人材としての業務をフリーランスに再委託する形を取っています。
派遣会社と異なり人材との雇用関係はないため、稼働率を無理に上げる必要もありません。クライアント企業が必要とする人材を、必要な時間だけ使うことができる仕組みとなっています。
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インテリム人材を使うメリット
企業がインテリム人材を使う主なメリットは以下3点です。
即時性
固定費にならない
高いモチベーション
まず1点目の即時性について。
インテリム人材はフリーランスですので、早ければ1週間程度で業務を開始することができます。
正社員のような入社手続きは不要ですし、長期の雇用を前提とするわけでもありませんので面接も1度顔合わせをするくらいです。
「とにかく早く人に来てほしい」といったような緊急時や、ポジション不在の期間を減らしたい場合等にインテリム人材は有効です。
2点目の固定費にならない点については、社員ではなく業務委託ですので自明かと思います。
特に外資ではグローバルの景気変動や事業戦略に応じて人件費の調整を求められることも多いです。正社員の人員調整が容易ではない日本において、コストの調整がしやすいという点は、インテリム人材を使う際の大きなメリットと言えるでしょう。
ちなみに当社の場合は、インテリム人材の実稼働時間に応じて費用負担をいただいています。業務の繁閑に応じた時間数の調整や、週2,3日のみ稼働するといったパートタイムでの運用も可能です。
3点目のメリットは高いモチベーションです。
インテリムの契約期間は通常3か月から12か月程度のことが多く、人材はその期間に全力を傾けることができます。例えるなら正社員としての働き方がマラソンなら、インテリムは1500m走といったところでしょうか。
インテリム人材には限られた期間で優れたパフォーマンスを発揮することが求められます。もし発揮できなければ、契約解除もあり得るわけですから、必然的に緊張感は高まります。
またインテリム人材は過去に優れた実績を上げ相応の名誉や報酬を既に得た方々のため、純粋に自らの経験やスキルを活かして誰かの役に立ちたい、貢献したいという気持ちが強い傾向があります。
まとめ
今回の記事では「インテリム人材とは何なのか」を中心にご紹介しました。
日本ではまだあまり知られていない仕組みではありますが、企業と人材双方にとって新たな選択肢となっていくのではと思っています。
今回は初投稿ということで若干堅めの内容となりましたが、いかがでしたでしょうか。今後は、インテリム人材事業で起業した理由や、インテリム人材の具体的なエピソードなど、ご紹介していければと思っています。よかったらフォローをお願いします!
最後に、当社のインテリム人材として活躍くださる方を募集しております。
ウェブサイトよりご連絡いただけますと幸いです。
(まずは話を聞いてみたい等でも大丈夫ですのでお気軽にどうぞ!)