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家ができるまで
家に限らずですが。。
プロジェクトの流れをざっくりと書いてみたいと思います。
クレールアーキラボへ興味をもっていただいた方と「はじめまして」の顔合わせ。会社に来ていただくことが多いですが、遠方の方はzoomなどでの打ち合わせをすることも。
要望、予算、生活スタイルなどをお聞きしながら
こちらからも、設計事例や考え方、仕事内容や進め方を説明します。
その上で、クレールアーキラボで設計を進めていきたいと希望があれば、次のステップ、プレゼンテーションへ進みます。
ここでは3週間〜1ヶ月程度(規模や用途によってかかる時間は様々です)お時間をいただき、要望を基にプランをつくっていきます。
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このとき、建築条件・法規の確認なども行いながらプランニングを行います。
ある程度まとまった段階で、ソフトを使用しての作図・模型作成に取り掛かります。
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CGをつくることもありますが、模型を手に持って、その土地に建つと、光の入り方、影の出方、抜け感、視線、高さ・・いろいろと気づきがあり、なにより、建物の外観・間取りがわかりやすいかなと思うので、だいたい初回のプレゼンテーションでは模型を作成し、プランと一緒にお渡しています。
最初のプレゼンテーションはとても緊張する瞬間です
(たぶん、依頼者である施主の方もドキドキしているのかなと思いますが。。)
プロジェクトの目標や機能、デザインの方向性を共有する大切なステップです。
このとき、1回目の提案を見て、もう少し検討したいところ、変更したいところがでてくることがほとんどです、だいたい2〜3回、プランの変更・修正のやりとりが生じます。方向性がまとまった段階で設計契約をしていただきます。
ここまでが「基本設計」という段階です。(ここまでは設計契約前)
次に、この基本設計に基づき、より詳細な図面を作成しながら、打ち合わせを重ねていきます。
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構造計算や電気・給排水設備の設計も行い、工事の見積りが可能な図面を仕上げていきます。「実施設計」と呼ばれる段階です。
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デザインももちろん大事ですが、機能性や使いやすさも大切です。場所によって、住まい手(使う人にとって)にとっての最善、大切にしたいことを追求していきたいなと考えています。。機能的で使いやすいことは美しさにもつながる、材料も多様な材料を選択するのではなく、シンプルで純粋な材料を選ぶことで建築が美しくなる、代表の畠山の考えです。私がクレールに入社して2年が経とうとしていますが、本当にその通りだなと日々感じています。コンクリート、石、木、ガラス、、、無垢の素材を使用することは、もちろん、メンテナンスも必須になってきます。でも、だからこそ、永く愛され、愛着が湧く建物が生まれるのだと思います。
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また、クレールではインテリアと造園の事業もしています。例えば、設計段階で窓の検討するとき、この窓からはこんな植物が見えたら良いな、天井から、透け感のあるレースのカーテンがあって、風に揺られてたらなんだか良いな、と思うのです。そうして、カーテンレールは天井に埋め込む?壁付け?天井付け?窓はどのように納めようか?天井の仕上げは何?壁の色とカーテンの色は?植える木の高さは?植栽の近くに水栓がいるな、、、、、など、設計を進めながら、同時にインテリアや植栽のことも考えます。自社で各分野の担当が居て、植栽は作庭も行います。設計の初期段階からそのような作業を積み重ねていくことで相互に作用し、「インテリアデザインと建築」「自然と建築」が調和した空間をつくりあげていきます。
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実施設計が完了すると、建設会社へ見積もり依頼をします。複数の会社に見積もり依頼をし、内容を検討して業者を選定する場合もあります。同時に、予算に合うように見積もりを調整、場合によっては、仕上げを変更したり、何かを諦めたりしなければいけない場合もあります。そうして、確認申請を経てようやく工事に着手することができるのです。
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工事に着手したあと、わたしたちの主な仕事は「監理業務」になります。工事が設計図通りに行われているか、現場に通い、各段階で施工会社に対して指導や監理を行い、工事の進捗を確認し、仕上げ等の最終確認を行います。
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他のnoteでも書いていますが、建物をつくる作業にはたくさんの人が関わってきます。施主(お客様)と設計(私たち)、工事施工業者、みんなが共に力を合わせて、建物はできていきます。
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そうしてようやく建物が完成。完成後も、不具合の対応、メンテナンスのアドバイスなど、永く愛していただける建築になるよう、設計者として見守っていきます。
実は今週末(5/25、5/26)完成見学会を行う予定です。
四方を隣地に囲まれた31坪の住宅です。
周囲の視線を遮りながらも風や光を取り込むコートテラスは、木製の引き込み戸を開け放つとリビングと繋がる空間となります。
リビングの真ん中には、施主の暮らしにかかせない
たくさんの本を収める大きな本棚をつくりました。
トップライトから入ってくる繊細な光
庭木から落ちる木漏れ日や揺れる枝葉を眺めながら、刻々と変化する季節や時間のうつろいを感じ、家での暮らしを楽しむ
本と暮らす親子の家です。
はじめてお施主様と会った日、紙いっぱいにぎっしりと、丁寧に書かれた要望書をもらいました。たくさんの本、私も好きで、将来、図書室のある家に住みたいなと思っているので、本棚が中心の家、とてもいいなと思いました。打合せに来られるとき、いつもおしゃれで、洋服が好きなんだろうな、と、すぐに感じ取ることができました。プランをするとき、WICはなるべく広めに計画しよう、と考えたのを覚えています。
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今週末、そんなお家をご案内いたします。
このお家のお施主様とはじめて会ってから、1年以上経ちました。
完成まで、あと少し。
見学会では
私たちの考えてること、大切にしていることを、直接お伝えする機会になればなと思っています。
( N )