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〈22〉放課後児童クラブは既にインクルーシブ?

インクルーシブとは、包括的という意味です。

インクルーシブ教育とは、支援を必要とする子どももそうでない子どもも、年齢や国籍にも関わらず、平等に学ぶ機会を得るための教育です。

インクルーシブ保育も同様の意味です。

これを念頭に放課後児童クラブを見てみてください。

1~6年生までという、幼稚園や保育園以上の異年齢保育。

学童期という心身共に著しい成長過程、発達していく段階。そしてそれは個人差があります。

加配を必要とする程度~必要としない程度の発達障がい(神経発達症)の子ども達。グレーゾーンの子ども達もいます。

自主的に学習できる子どももいれば、授業への参加自体消極的な子どももいます。

挙げればきりがない程多種多様な人間模様が放課後児童クラブにはあります。


多種多様で、それが尊重されていればインクルーシブだ!と言えるかもしれませんね。

尊重される環境が整っていれば、です。

インクルーシブの前提には相互理解がとても重要ではないかと私は考えています。

自分と違うものを排除しようとする人間の本能から、相手を理解して自分を理解してもらうという相互理解ができる力を子ども達が身に付けていくためには、周囲の大人の助言や介入が必須です。

ただそこにいるだけでは何にもなれません。

放課後児童クラブや学童保育所にただ預けるだけでは何にもなれないのです。

毎日ぶつかり合い、罵り合い、傷つけ傷つき合うだけです。

ここに子ども達をただ見ている状態の支援員が仲裁に入っても何も解決しません。その場を納められても根本的な解決になっていないので、同じような喧嘩を必ず繰り返します。

そして怪我や暴言についてはさすがに保護者に状況を説明します。その頻度が多いと、保護者も疲弊していきます。

介入する技術が支援員には求められます。一人ひとりにどのような性質、特性があるのか、どのような発達過程を踏んできたのか、どのような家庭保育をされてきたのか、学校生活の様子や子ども同士の相性などを日頃からアセスメントする必要があります。

それを踏まえて、どのような声かけが効果的なのか考えなければなりません。

環境整備をする必要もあります。そもそも怪我をさせる可能性がある物は置かない、玩具の選定も大事です。

そして子ども同士、子どもと支援員間の相互理解だけではいけません。保護者と支援員、保護者と子ども間の相互理解もとても大切です。

子どもの特性に目を向けない、向けられない保護者もいます。自分の子は悪くないの一点張りの保護者もいます。自分の子どもが怪我をしても、それくらい何ともないと言う保護者もいます。「何が起きたかなんて興味ないんで、いちいち言わなくていいです。」と言った保護者もいました。

現場だけが頑張ってもインクルーシブにはなり得ません。

保護者が一方的に願って叶うものでもありません。

現場を知らない者が作り上げるものでもありません。




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