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〈150〉親が叱るべき時がある②

親がガツンと叱らねばいけない時の例として、もう一つ。

それは犯罪行為です。

14歳以上で同じ行為をした場合、逮捕されるような言動があった場合。

14歳未満だから、子どもだからと見逃しておいて、果たして自律心はきちんと育つでしょうか。

衝動を抑制するのは、発達特性の種類や程度に関わらず、我々大人だって難しいことです。

でも、その衝動を抑制することを学ばないといけないのは、まさに幼児期~児童期なのではと思います。

暴力もそう。窃盗もそう。

文字だけ見たら子どもの行為への表現として寒気がするものですよね。まさに「そんな言い方しなくても」と言いたくなるような。

ですが、そこを敢えて厳しい言葉で、"今"止められなければ。

14歳以降犯罪としてどのような罪に問われるか、14歳未満ではどう対処されるのかを伝えなければいけません。

言語化が苦手で手が出る、お友達の持ち物を欲しくなって取る、背景に何らかの"仕方ない理由"があったとしても、起きた事象は仕方ないでは済まされません。

たった一度だけだったとしても、相手がいたり、見聞きされたことで乱暴者、意地悪、泥棒などという言葉で追い詰められる側になってしまうこともあります。

そうなることも想定して、個人の問題とするか、全体指導するか、保護者の指導内容を踏まえて支援員からは本人に何をどう伝えるのか、考えなければいけません。


もちろん放課後児童クラブでは発達段階に合わせて言葉、伝える場面、伝える場所は選びます。

怒らず、説明します。行為の善悪を。

そして保護者に伝えます。

支援員にできることはここまでです。

事実を知った保護者が子どもをきちんと叱ることでしか収束できない事案はあります。

支援員が叱責したり、正座して座る場面を作るとか、恐くパフォーマンスすることは可能ですが、子ども達に必要なのは、支援員からの叱責ではなく、保護者からの叱責なのです。

他人による人前での叱責でなくて、家庭での叱責、そこからの対話が、「二度としてはいけないことなんだな」へ繋がるのです。


ただ、子どもとの対話が難しい保護者もいます。そのような家庭に叱責と対話を求めても、家庭で何が行われるかわかりません。

だから、子どもの家族背景や家庭背景をアセスメントする必要があるのです。

どんな悪事も「うちの子は悪くない」「学童の環境ぐ悪い」という家庭もあります。「そうですか~」と流してしまう家庭もあります。

そのような場合は、事実は事実として伝え、学童保育の現場で、その時その時にこんこんと善悪を子ども本人に伝え続けるのみです。

「どこまで、どのように叱ったらいいのかわからない」と悩んでいる家庭もあります。

そのような場合は、放課後児童クラブで本人に伝えたことをそのまま「我々からはこう伝えました」という事実を伝えます。

ペアレントトレーニングまで繋げてあげられればよいケースもありますが、連携できる先が無かったり、実施しているのが稀なイメージなので難しいです。


これら大人がする対応で、一度の過ちで終わることもありますが、誘惑や衝動の瞬間はまた必ずやってきます。

その時に、子どもは葛藤します。本当に一生懸命自分と闘っています。

支援員はその瞬間も見守ります。誘惑や衝動に負けそうな瞬間にそっと目を合わせます。

誘惑や衝動に勝てたら、ほめます。目一杯。

それを繰り返します。必ず自律できるようになると信じて。



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