学生は『アメとムチ』で頑張りますが、社会人は『アメとムシ』でもっと頑張ります。

学生のみんなが、アルバイトや就職を経て社会に出ると、ビジネスの最前線で活躍する大人のスマートさには驚かされると思います。

担任の先生や部活の顧問は、みんなのモチベーションをコントロールする上で、時に褒めたり叱ったり、アメとムチを駆使する人が多いと思うんですが、これは行動心理学で『条件付け』と言って、報酬と罰を与えると言うこの方法は人の意欲をコントロールするイロハのイなんです。

しかし、社会人、特に出来る人が多い環境で、先輩や上司は、褒めはしても大声をあげて怒る様な野暮な事はしません。

彼らが使うのは、ムチではなく、無視、ネグレクトです。と言うのも、キツすぎるムチは逆に意欲を削いでしまうし、むしろ『かまってくれた』行為としてムチのつもりがアメになってしまう事も分かっているんです。

例えば、T字路の先にお菓子を置き、一方の先にはお菓子の前に電気ショック、ここで言うムチを与える装置を置きます。実験用のネズミを複数回、歩かせると、当然、回数を重ねるごとにネズミは学習し、電気ショックの方へは向かわなくなるんです。

しかし、この電気ショックのボルト数を上げ、失敗したネズミに強い刺激を与えると、ネズミは、電気ショックに怯えてしまい、右にも左にも進まなくなってしまいます。後でネズミを解剖してみると、強い電流を流したネズミの全てがストレス性胃潰瘍になっていたと言います。

こう言う事から、ムチではなくムシする方が、お互いに疲れにくく、何より、無視と言う無言の圧力の方が、合理的に人を頑張らせるモノです。

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