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突然、ブレイドの如く
通勤時、車を運転していると、目に飛び込んでくる朝日がやたら眩しい。
改めて自分が毎日、東へ東へと向かって運転している事を思い知る。
我が両眼は、ずっとずっと危険な状態に晒されていたのだ。マズイぞ。
早速、眼を防御するサングラスを買いに行った。
サングラスを選ぶ際に抱くイメージ、たくさんあるよね。ブルースブラザーズとか、レザボアドッグスとか、ダーティーハリーとかさ。
でも俺はさ、ブレイドなんだよ。
知ってるかな?ウェズリー・スナイプスね。吸血鬼と人間のハーフっていう設定のあれね。
サングラス屋でブレイド型サングラスを手に取り、装着する。
に・似合わねぇ。悲しいくらい似合わないぞ。
鏡の中には、実写版「静かなるドン」の中山秀征がそこにいた。こりゃあれだ。髪型だ。
早速、1000円カットを謳う安っい理髪店に駆け込み、角刈りをオーダー。よし、安心しろ。これで、ブレイドだ。
車に乗り込み、エンジンを回す。
カーステからは、ボビー・ウーマックの「110番街交差点」が流れる。
俺はブレイド型サングラスを手に取り、ゆっくりとスローモーションで顔面に装着していく。
ああ、この瞬間、俺は完全にブレイドになる。
太陽なんかもう怖くねぇぞ。
黒いロングコートの裾をヒラヒラと自分の手でなびかせながら、意気揚々と会社に出勤。
「おはようございま〜す!」
ん?
いつもの反応が無いな。どうした?
あ!
サングラス外すの忘れてました。ハハハ。恥ずかしい。
「ブレイドっぽいですね〜」といった心ある突っ込みが欲しかったぜ、みんな。