メルケル首相の言葉になぜ国民が耳を傾けるのか-ドイツ在住作家、多和田葉子さんのインタビューを聞いて(withコロナ時代)
ドイツのアンゲラ・メルケル首相のメッセージがなぜ響くのか、皆が聞き入れるのか。聞いていてスッキリしました。その答えは"科学"です。ニュースウォッチ9をみていて、なんとなく途中からメモした内容です(2020/5/12)。
科学が大切というメッセージが含まれている
インタビューの相手は、ドイツ在住の多和田葉子さん。聞き手はウォッチ9でキャスターをつとめる有馬嘉男さんでした。
メルケル首相の言葉になぜ国民が耳を傾けるのか。そこには裏付けする科学の根拠をいつも提示しているからと多和田さんは言います。
ヒューマニズムみたいな…人間が大切で、そのために科学が大切という人間重視。静かに語りかけていく…。
ドイツの人たちはカリスマ性みたいなものに懐疑的。ヒットラーがあったし…。
こういった危機があらわれた時にお母さん的な話し方…心が温かいだけではなく科学にもとづいてちゃんと説明する。これこれこうだからこうするのがいいんじゃないかと。
信用できないお父さんが威張って演説している大統領が多い中で安心感があったのでは。
世界中に課せられた厳しいコロナテスト
多和田さんは、これはみんなに課せられた非常に厳しいコロナテストであると言っていました。
いろんな国の能力が試されているのではないか。何か危機的なことがあるんじゃないかと準備していた国と、まったく、その間にもお金儲けの手段しか考えなかった国、こういう時でも政府が勝手に決めて進んでいく、チャンスを狙っているような国、そんな国はヨーロッパにもある。これは世界中に課せられたテスト。
文学の仕事は、フェイクではなくフィクションを作る事
「今文学が語るべき言葉とは何か」の質問には次のように答えていました。
コロナのような状況では自然科学が重要じゃないですか。ただし、科学というのは個々のファクトのことしか語ることはできない。どういう風に生きていきたいかを語ることはできない。そこをつむぎあわせて物語をつくりあげていく。これは伝えるのは難しいのだけれどフェイクにならないように。
フェイクではなくフィクションを作る。人間が必要とするもの…
フィクションがなければ変な物語に踊らされてしまう。
黙らせてしまう。
シンプルな生活に戻ってみる、
楽しんでみる、本を読んでみる
最後に前をを向くための言葉として次のよう語っていました。
シンプルな生活に戻ってみる。
本を読んだり、シンプルライフの楽しさをあじわう。
今できないことがあったらそれを思い描いで楽しむ。
例えば今5人くらいで集まって食事したら楽しいなと思ったら、その事を思って、楽しむ。あらためて味わう。楽しい事があるんだなということを実感して楽しむ。
インタビューを振り返って最後に有馬キャスターが添えていましたが、多和田さんは「ドイツが理想的とは決して思わない」とも仰っていたそうです。ただし、有馬キャスターが話の中で聞いていて羨ましいと思った事、「ドイツでは文学、演劇、大事にされていて、それが大きな役割を果たしている。アーティストが自由に作品を通じてメッセージを議論することができる」ということでした。
シンプルライフを楽しんでいる私ですが、さらに今できないこと(私の場合はハワイに行く!ですが)を思って楽しむというのをもっとやってみようと思いました。そういえば、小さい頃はよく現実に近いストーリー作って楽しんでいたなぁ…と思いだしました。
メルケル首相は物理学者だったと知ってさらに興味を持ちました(さらに納得というか)。記事と書籍のリンクをはっておきます。
多和田さんの書籍は読んだことがありません。自分へのメモ代わりにアマゾンリンクをはっておきます。
オワリ
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