『いぬやしき』
『いぬやしき』は、奥浩哉さんによってかかれた講談社の漫画。
最近いぬやしきという漫画にけっこうはまってしまったので、そのストーリーを軽く紹介します。
主人公は「犬屋敷」という名字のお爺ちゃんですが、学生の娘と息子がいる2児の父親です。普段は家族から冷たく接せられており、それに加えて自分が癌で余命があと少しであることを医師に診断され、彼は人生に絶望していました。
夜の公園で柴犬の花子とともに散歩していたところ、突然UFOが犬屋敷さんに墜落してきたのです。宇宙人らしき生き物が、損傷した犬屋敷さんを治すのですが、なんとそのときにロボットにされてしまいます。
外見は何ら変哲もない人間なのですが、中身はガチガチのロボットで背中からジェットエンジンみたいなものがでてきたり、手からビームが出たりします。
身体がロボットなため、癌も消えてしまった犬屋敷さんですが、ヤンキーと喧嘩をするシーンでも、圧倒的な身体の硬さと攻撃力でヤンキー達をやっつけてしまいます。
身体をロボットにされた犬屋敷さんは、健康になり強くもなったものの、あることに気がつきました。彼はロボットなので、自分が悲しくても涙がでないのです。
いわゆる、「生きている感」が得られない犬屋敷さんですが、ある日道ばたで瀕死状態のネコに触れると、ロボットの力でネコをすっかり回復させることができました。
このときに初めて彼は、人助けをしているときに、生きているんだと感じられるようになったのです。そこから先は、彼が寝たきりの子供を治してしまったり、火事の中から住民を救ったりと、続々と人を助けていきますが、ここら辺はうるっとくるものがありましたね。
しかし、物語はここで終わりません。実は、犬屋敷さんがロボットに変えられたあの公園には、もう一人いたのです。それが獅子神浩という青年です。獅子神は犬屋敷さんとは異なり、人を殺すことで生きている感を感じられるという、イケメンな外見とは裏腹に、サイコパス的な雰囲気を醸し出しています。
獅子神は適当に家を選んで侵入し、その家の住人を殺害していきます。手を銃の形にして「バンッ!」といったら、空気砲みたいな玉が出るらしいです。お風呂で子供が父親の体重によって溺死してしまうシーンは、なんとも言えない気持ち悪さが残ります。
獅子神自身もロボットになる前から、自分と関係のない他人は死んでも何も感じないといっていたので、もとから殺人を犯す素質があったのかもしれません。
一方で、友人をいじめっ子から救って、不登校になっても学校に誘うために家まで行くといった優しさをみせるシーンもありました。
長々と前半のストーリーを書いてしまいましたが、全体的な流れを簡潔に言うと、人を助けることで生きていることを実感する犬屋敷(正義)と、人を殺すことで生きていることを実感する獅子神(悪)が対比して書かれており、最終的にお互いの存在に気づいて、戦って、、、、みたいな話です。
ちょっと内容は複雑ですが、終わり方は結構感動しますし、読めば確実にはまると思います。アニメ版や実写映画版もあるので、時間がある人は、そっちでも楽しめます。
機会があれば是非。