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企業成長に欠かせないROE改善の戦略とPBRとの関係

ROE改善とPBRとの関係について考える際、ROEの歴史やROEと売上高純利益率、資産活用効率、利益割合の関係性など、様々な観点から分析することが重要です。特に、近年東京証券取引所がPBRが1倍未満の企業に対してROE改善を促すなど、ROEは企業にとって重要な指標となっています。本稿では、ROE改善に向けた具体的な戦略についても探っていきます。

ROE(Return on Equity)は、企業が株主から調達した資本をどの程度効率的に利用して利益を生み出したかを示す指標です。ROEが高いほど、企業は効率的に資本を活用し、収益性が高いと言えます。

PBR(Price to Book Ratio)は、企業の時価総額をその企業の純資産(資産から負債を差し引いたもの)で割ったものです。PBRが低いほど、投資家は企業の株価が割安であると見なし、投資機会と捉えることができます。ただし、PBRが極端に低い場合、企業に問題がある可能性があるため注意が必要です。

企業のROE改善とPBRとの関係

東京証券取引所がPBRが1倍未満の企業に対して改善を促し始めたことから、ROE改善が注目されている。
ROEは、株主資本を使っていかに効率的に事業を行っているかを示す指標であり、これまで株主利益主義の象徴として批判される一方、競争力を磨くための道具としても使用されてきた。ROE賛否の軌跡は、日本企業がグローバル市場といかに向き合ってきたかを刻む履歴書でもある。


ROEの歴史

ROEが日本で使われるようになったのは、1981年頃からである。80年代には、新外為法が施行され、日本企業が国際金融との関わりを深めた時代であり、先駆的な中堅企業が米国の財務理論に目を向け、ROE改善に取り組んだ。当時のROEはおおむね8%台であったが、90年代以降は低下し、アベノミクスの一環としてのコーポレートガバナンス改革以降、日本企業がROE改善に本腰を入れるようになった。


ROEと売上高純利益率、資産活用効率

ROEは、事業の採算を示す「売上高純利益率」と、資産活用の効率を示す「総資本回転率」の積である。ROEを向上させるには、売上高純利益率、総資本回転率のいずれかまたは両方を

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