見出し画像

2025年の相場見通し(全体感)②

1.はじめに

前半では、2025年の1つのテーマとして、「アフターコロナの着地点の模索」を指摘した。そして、コロナという未曽有の事態が起こり、それに対応するために政府・中央銀行が一体となって対応した副作用として、世界的にインフレ率が急上昇し、今度はその対応に追われてきた状況を時系列で確認してきた。そして、その後の世界で残ったのは、ひとまず「米国一強」という現実と、呼ぼ方はGAFAやマグニフィセント・セブンなどに変化したものの、相変わらず米国ビックテックの異次元の強さだった。

後半は、なぜ米国だけが強いのか?ここからスタートしたい。もちろん、米国はもともと恵まれた国である。恵まれた気候条件、広大な大地、その下に眠る大量の鉱物やエネルギー資源、戦後に構築してきたソフトパワー、強大な軍事力、基軸通貨の存在、先進国の中で唯一の人口増加社会・・・こういう基礎的な条件はきりがないので、ここでは取り上げない。
私のポイントは、「米国は2010年代に変化した!」というものだ。
「今の自分は、過去の自分が作ったもの」という言葉がある。これと同じように現在の米国が非常に強いのは、過去の米国が作り上げたものであり、その過去とは2010年代ではないかと考えている。まずは、そこからスタートする。

2.米国の変化

下の図を見てほしい。左側のチャートは、米国の2005年、2010年、2015年、2023年の時価総額トップの企業の顔ぶれと時価総額である。そして、右側のチャートは、日米欧の時価総額トップ企業の同じ4つの時点での時価総額を示している。一目瞭然だが、米国だけが異常な成長を示していることが分かる。日本と欧州は、これまでの延長線上の成長を継続している一方で、米国だけが非連続な進化をしているのだ。

同じことであるが、下のチャートは、MSCIの世界株式(米国除き)と、MSCIの米国株を2000年1月を100として指数化したものだ。明らかに2010年代半ば以降に米国株の動きは、世界株式を引き離している。

問題は、どうして、こんなことが起こったのかだ?結論から言えば、米国だけが新たな成長領域を見出したからだ。先進国の成長が低下するのは、成熟国になり、成長領域が枯渇するからだ。しかし、米国は下の5の要因を主要因として、ニューフロンティアを見出したのだ。そういう意味で、2010年代の差が、米国と日本や欧州の差になっているのではないだろうか?

ここから先は

6,950字 / 15画像
この記事のみ ¥ 300
期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?