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【アート記録】4月5月に行った展覧会。
一時期、お留守になりがちでしたが、最近またよく通っている展覧会。
アート展って、なにげに自分にとってコンディションの良し悪しがわかるバロメータでもあります。
アートを見にいく暇もない、、、なーんて言ってるときってだいたい、自分の向かっている方向が本来の自分の希望とズレてたりするからね。
そんなこんなで、最近いった展覧会3つ。
・MUCA展@森アートヒルズギャラリー
・村上隆 もののけ 京都@京セラ美術館
・北斎と広重 冨嶽三十六景への挑戦@中之島 香雪美術館
東京、京都、大阪と色々なんですが。
一応まだすべて開催中ということで、レビュー書いてみます。
MUCA展@森アートヒルズギャラリー(六本木)
当日になって、何かないかなぁって探して弾丸で行って大成功だったMUCA(ムカ)展。ドイツにあるアーバン・アートと現代アートに特化したMUCA美術館の展覧会です。
まだやってる!6/2(日)まで!!!
ストリートアートとか好きな方はぜひ急いで!笑
わたしアーバン・アートたるものが、本当に好きで。
音楽をやっているからか?あるいはブラックミュージックという、ある意味ストリートから生まれた音楽をこよなく愛しているからか?わかりませんが。
ただ芸術の領域を深く追求したものも嫌いではないが、社会にたいして何らかのメッセージ性をもつものに、深く心を打たれる傾向にあります。
最初にKAWSがあって、最後にバンクシーってあたりも、構成よく考えられてるって感じです。
私はKAWSの次のシェパードフェアリー氏のブースで、一気に心を鷲づかみにされました。
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ああああああ好きースキー今見ても好きだー。
えっと黒人とか、ボブマーリーとか、描かれてる人が好きなだけって説もあるけどね??こういう強いメッセージをアートでっていう、そういうのが好き。情熱。
さて。(急)
今回のMUCA展で感じたことは、大きくは2つ。
1つは、やっぱりアートの多くがニューヨークから始まるということ。
MUCA展にはニューヨークのストリートから始まったアーティストや、ニューヨークでアートを学んだアーティストが本当にたくさんいて。
多くの芸術や思想、「人と違う発想」が受け入れられ広がっていくムーブメントの中心は、やっぱりニューヨークなんだなと痛感させられました。
そしてもう1つは、ドイツ、アツすぎない??ということ。笑
去年から、私が惚れ込んだアートや展覧会に、ドイツが関わっていることどんだけ多いのか??
リヒター、ルートヴィヒ美術館、そしてこのMUCA美術館。
ドイツが現代アートにおいてこんなに中心的な役割を果たしていたというのは、本当に知りませんでした。
ドイツには、アメリカの支援があった旧西ドイツと、社会主義という特殊な歴史のある東ドイツのミックスカルチャーという意味で、やはり特別な何かがあるんでしょうね。
文化がぶつかり合うところに、芸術やアートが生まれやすいし、そういう場所に暮らす人たちは、アートに敏感になりやすいのかもしれない。
ってことで。
MUCA展の内容に触れてないけど笑、そんな感じでほんとカッコいいアーバン・アート、現代アートたくさん見れる素晴らしい展覧会でした。
好きすぎました。
村上隆 もののけ 京都@京セラ美術館 新館東山キューブ(京都)
これもよかったー。世界で活躍する、唯一無二の現役日本人の個展。
アートが好きだけど、京都から遠くにお住まいの方。
旅してでも一度、見られるといいのではないでしょうか。
ってぐらいです。
京セラ美術館はとても大きな美術館なのですが、この展覧会の会場は「新館 東山キューブ」というところで、ここはそんなに大きいエリアではないです。
そのうえショップがかなり広いため、展示エリアは1時間ぐらいあれば回れると思います。と言いながら私はじっくり全解説を熟読しながら、2時間ぐらいかけて回ったかな?
ポイントは3つあって、
・ほぼ全ての作品がこの個展のための新作
・本人による詳細な解説がある
・京都を中心とした日本芸術とのコラボ作品多数
村上隆さんって、一見、ポップアート的なものを作っているように見えますが(実際そうですが)、ベースにきっちり日本の芸術が刻み込まれているあたりが、本当に素晴らしいと思いました。
世界に出るには、やはり日本の代表でなければならなくて。
アウトプットが「ザ日本」でなくても、根っこにきっちりそういうものがあって、そうなれるためにめちゃくちゃ鍛錬や努力をされてきたことも、この展覧会でわかります。
で、それをご本人が自らの言葉で解説してくださっているというのが、何よりの醍醐味ですね。
世界的に活躍する村上さんのこんな個展を日本でゆっくり見られるというのは、本当に本当に貴重な体験になると思います。
最近では韓国での人気もめちゃくちゃ高くて、NewJeansとのコラボも記憶に新しいですよね。
とにかく、作品が素晴らしい、というのもありますが、やはりその現役感も他では味わえない楽しさがありました。
ちなみにコメントはただの解説だけでなく「未完成の作品への言い訳をする村上隆さん」みたいなタイトルがあったりして、現代ならではのユーモアもたっぷりです。
ただ一言だけ、一言だけいうならば、「もののけ」って使う必要あったのか?笑
私はジブリファンでもあるので、ちょっとこの言葉を、しかも平がなで使うのは、ジブリと関係ない中では要らなかったような気はする。
けど解説にもあったけど、資金繰りにかなり苦労したらしいので、仕方ないのかなとは思いますが。。。
そういう心配や苦労を作家本人もしなければならないのが日本における芸術の現状だというちょっとした嘆きも正直に書かれていました。
余談ですが、、、日本でのアート・芸術の地位の低さは、日本での評価が賛否あった「君たちはどう生きる」が海外で大絶賛をうけアカデミー賞を受賞したというあたりでも、なんか垣間見えた気がしましたよねぇ。寂しい!日本にももっと芸術の教育やインテリジェンスを広めたい。
さておき。
あまりに楽しかったので、この感動を折に触れて思い出したい、そして自分の活動の刺激にしたい、という気持ちがありグッズを爆買い笑。チーン。
いやー買いすぎた。買いすぎたけど、でも後悔はしていない。ふふ。
このとき買ったポストカードをきっかけに、我が家の廊下をプチプチ美術館にする計画を、やっと実行できそうです。
北斎と広重 冨嶽三十六景への挑戦@中之島 香雪美術館(大阪)
これはまぁ、クラシックな分野ですが、私にとっては復習であります。
私、無類の広重好きでして。
広重嫌いな人なんているの?と思うんだが。
広重って、一周まわって(いや五周ぐらいまわってる?)現代アートだと思ってるの私だけ???
構図みてほしいのですよ。
例えばこれ。
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私が大好きな広重の浮世絵のひとつで、東海道五十三次の「品川」でありますけどね。
この斜めに伸びた道とか、左:海、右:山のバランス、船の帆の縦ストライプ。
いやこれもう。
もはや現代アートじゃない?笑
そしてインスタ映えの宝庫でしょ?笑
私は写真撮るときいつも、広重先生の構図を参考にしてます。
左右のバランス感とか。
この方に倣っておけば、間違いないんだが?
そして。
そんな広重先生が大好きすぎる私。
今まで、まさかの北斎をあまり見ない、という暴挙にでる傾向がありました。(何)
北斎が嫌いとか、そういうのはないわけなんですが、とにかく「浮世絵は広重」という謎の一途さで、北斎先生の浮世絵はあまり目に入らなかったし、なんか決めちゃってた。
ただ、そこは世界の北斎先生ですから。そんなこと思ってても、どんどん目に入ってくるぐらい、あちこちで見かけたりはするんですが。
実際、広重展ってなかなかないけど、北斎展っていうのはしょっちゅうあって、そこで広重を見られるパターンもあるから、北斎展もだいたい行ってますし。
で、話がめちゃくちゃになってきたが、肝心のこの展覧会のポイントは何かっていうと(こうなるからあまりレビューって書けないのよ)
・広重と北斎の代表作を同時に楽しめる
・北斎と広重の(ほぼ間接的だが)関係性を知ることができる
という感じです。
まぁ浮世絵といえば北斎か広重ですし、中心は北斎の「富嶽三十六景」と広重の「江戸名所百景」ということで、何度も見たことがある作品ばかりでしたが。
そんな中でも、北斎の珍しい肉筆画や、広重の美人画なんかもあったりして、これだけの名作がここまで揃うこともなかなか珍しいので、めちゃくちゃ楽しかったです。
あ!
あとね。
冒頭の解説に書いてあったんだけど、広重は、幼いころから本当に絵を描くことが大好きだったのですって。
そんな広重少年の将来の夢。
「もっと上手に絵を描けるようになりたい」
って。
かわいすぎん????笑
純粋すぎる広重先生のことが、もっともっと好きになった展覧会でした。
一方の北斎も、90歳を超えても「もっと上手くなりたい」「あとちょっとだ」と不老不死の薬まで飲んで絵の上達の道を極めようとするという。
江戸時代なんて、今よりももっと色々と不条理なことだらけの日本だったと思うけど、二人とも、本当に純粋に生きたのですねぇ。
自分もこんな風に歳を重ねたいものです。
以上!
今回は最近行ったアート展のレビューでした。
写真たくさんあるんですが、貼り出すとキリがないので、こんなもんにしておきますね。ぜひ会場でリアルに楽しんでいただければと思います。
【参考】次に行きたい東京のアート展
さてー。次に行きたいもの、いくものも実はいくつか決まっているのでリストアップだけしておきます。最初の2つはちょっと繋がってます。
シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝@森美術館
民藝 MINGEI ―美は暮らしのなかにある@世田谷美術館
ロートレック展@SOMPO美術館
他にもまだあるきがするので、またボチボチ探しながら、選びながら。ですかね。
レビューより「行きたいアート展」のほうが得意なので苦笑、またタイミング合えば書きたいと思います。
ということで、おわりー。