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よすずみのなれば ねてもをられん
おひさしぶりです、完全に月一投稿になっています。
私事ですが、26日に沖縄より届きました三線(琉球古典音楽・野村流)の教師免許状を確かに頂きました。
これにより、正式に所属の協会の教師として登録されました。
しかし免状。まさか額縁付きで来るとは。
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まあこの上に師範という資格もあるのと、それを取得するには理事会が納得
するレベルの芸歴や各種研修への参加といった貢献度が必要なのと、試験で20分超の難曲を暗譜で弾き歌いしなければいけないので・・・
つまりあと20年は教師として勉強を重ねる覚悟が必要なんだなと思っています。もうアラサーなんですけどね、年齢的には所属する支部の中だと若い方から数えたほうが早いんですよ、自分。まだまだひよっこです。
それでタイトル。こちら歌三線の古典曲「十七八節」の歌い出しからちょっとだけ取りました。元の歌詞は以下のとおり。
「よすずめのなれば あひちをられらぬ
玉黄金使ぬ にやきゆらとめば」
読み方は
「ゆすぃずぃみぬなりば あゐちをぅらりらん
たまくがにつぃけぬ にやちゅらとぅみば」
はいそこ、「読み方つけたら余計読みづらくなった」とか言わない。
意味としては「静かな夜が訪れると、こうじっとしてはいられない。
大事なあの人が、もうやってくるのだ」
十七八節、この30文字しかない琉球版和歌の琉歌をゆーっくり、じーっくり歌いあげておおよそ演奏時間は13分。そう、13分。・・・長くないって?
さっき言いましたね、師範になるには試験で「20分」やり通すって。
そう、13分。決しておかしい数字ではないのです。
もはや二胡の蘭花花叙事曲がかわいらしく思えてきます。
30文字(囃子言葉が入るともうちょっと増量)をゆっくり歌い上げるもんだから、馴染みのない方からは「ヤマとオチどこ?」とか「寝る(真顔)」とかそんな感想も聞かれるかもしれません。実際数年前の私がそうでした。
でも歌の意味を知った後に三線の伴奏を聴くと、じわじわと情景が浮かんでくるようになってくる。そしてその情景は決して古臭くはないと思える。
古典音楽って、面白いなあと思う一面です。
ここで歌の意味に戻るのですが、下の句の「玉黄金使」つまり「大事なあの人」と言い表せる言葉。ここの意味については、実ははっきりしていません。有力な説として唱えられているのが、2つ。
それは「忍んで来る愛しい恋人」と「浄土からのお迎え」。
若人が恋人との時間を待ちわびているという説と、
(おそらく)老人が来る安らかな往生を待っているという説、両方を持ち合わせている。・・・面白くないですか?思いましたよね?
確かに三線も「ひたひた」と足音を思わせるようなフレーズが多用されており、聴く人がどちらを思い浮かべるのか、弾き手がどう考えているのか。
様々な解釈が存在するし、また存在していい空間を生み出す13分。
十七八節、よければ調べて聴いてみてくださいませ。
それでなんでここまで解説めいた駄文を書いてきたかというとですね、「愛しい人」と「あの世からの迎え」という解釈を思い浮かべながら、最近曲を聴き返していてふと疑問に思ったんです。
「最期に見たい(会いたい)面影って、いったい誰なんだろう」って
わりと真面目に考えた時に、一番身近なはずの家族ってあまりピンとこなかったんですよね。
家人はリアリストで幽霊信じてないから、こういう場には来ないだろうし、兄弟は先に逝ってほしくない(自分が迎えにいきたい)し、・・・親?は?どうして?
・・・そうすると、ふっと一つの答えのようなものがわいてきました。
「楽器でつながったみなさんに、会いたいな」と
この2-3年で一気に二胡も三線も関係性が広がって、その縁をずっと大事にしていきたいという気持ちが強くなっているのは確かですが、その縁を積み重ねていくことが一つ生きる意味合いになっているのかなとも感じています。
楽器を通じて自分だけの居場所を、やっと自分の中に作れて
それが終わるときには、やっぱり楽器を通じてお世話になった人たちのことを思い浮かべたい。
楽器を介して作った自分の世界を守って最後に終わるときには、しっかり感謝をして幕引きをしたい。
そんな内声が出した答えなのかもしれません。
というわけで先月、ひっそり奏者としての個人サイトを立ち上げたわけですが三線は正式に資格も取得できましたし、二胡もそうですが、人前で演奏することも増えてくるんじゃないかと思います。
もう少しだけ、お付き合いください。
追記1:俺、この記事投稿したら二胡の練習するんだ(睡眠消滅フラグ)
追記2:ヘッダーの写真は酒と「しじみ」汁ですが、タイトルとのダジャレとかでは一切ございません。・・・・・・いや、断じて!!!