統計検定準1級ワークブックの解説(第12章の章末問題)
統計検定準1級ワークブックのマガジン
自己紹介
QC検定1級, 統計検定2級を持っています。現在は統計検定準1級の合格を目指しています。まずは統計準1級ワークブックを進めています。そこで自分なりの解答を共有していこうと考えています。※解答のみで問題は載せません。
所感
一般の分布に関する検定方法の章です。母比率の検定, 適合度検定は統計2級の復習でした。初めて出てきた用語として、尤度比検定とか最尤推定値が出てきました。まだ曖昧なのでこれから理解を深めていきたいです。
解説
問12.1(1)
求めるのはχ²統計量。まず期待度数を求める。帰無仮説のもとの1日の問い合わせの回数が期待度数になる。期待度数=49/7=7回。次にχ²統計量は
(2)
求めるのは棄却限界値と検定の結論。χ²統計量は自由度φ=7-1=6のχ²分布に従う。問題文より有意水準α=5%のため棄却限界値は
問12.2(1)
求めるのはBさんの「ポアソン分布に従うのではないか」の意味。ポアソン分布は平均と分散が等しいという性質がある。平均=2.99, 分散=1.7²=2.89で近しい値を取っているため、ポアソン分布に従うことが予測される。
(2)
求めるのは期待度数の計算の仕方。問題文より合計で69年で、台風の回数に対する確率p(k)はポアソン分布で決まる。例えば1回の期待度数は
で計算できる。同様にポアソン分布のkの値を変化させることにより期待度数を求めることができる。
(3)
求めるのは棄却域の設定に必要な数値, χ²統計量がなぜ大きくなっているかの原因。まず自由度はカテゴリー数11と帰無仮説にポアソン分布のパラメータがある。よって自由度11-1-1=9。さらに問題文より有意水準α=5%。これらが棄却域の設定に必要な数値となる。以上より棄却限界値は
次にχ²統計量が大きくなっている原因について考える。上陸数10回以上のχ²統計量の項を考える。観測度数=1, 期待度数=0.07なので、χ²=(1-0.07)²/0.07=12.36となる。問題文より全体のχ²統計量は16.37なので、約75%の大きさを占めている。以上より上陸数10回以上の項の影響で大きくなっているといえる。
(4)
求めるのは上陸数6回以上をまとめたときと、まとめていないときの適合度検定の当てはまりの良さ。まず上陸数6回以上をまとめたときの全体のχ²統計量の値を求める。上陸数6回以上をまとめたときの観測度数は3+1=4。期待度数は
となる。自由度7-1-1=5で有意水準10%の棄却限界値=9.24と比較する。χ²統計量の方が棄却限界値より小さいことが分かる。つまり、有意水準10%であてはまりがよいといえる。
一方、上陸数をまとめる前のχ²統計量=16.37は棄却限界値=14.68よりも大きい。つまり有意水準10%であてはまりが悪いといえる。
以上より、上陸数6回以上をまとめた方があてはまりが良い。
問12.3
求めるのは検定統計量Z。検定の内容は利用率に差があるかなので、母平均の差の検定を考える。
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