CIVILSESSION 29: "(3)伊藤佑一郎/自分にとって新たな挑戦をした人々"
今回のCIVILSESSION 29 "REVIEW"では、過去28回行われた中から各CIVILTOKYOメンバーがお気に入りの作品の一部をご紹介します。
第29回の他の記事はこちら
(1)目的と概要
(2)根子敬生
(4)山森文生
(5)杉浦草介
※CIVILSESSION 29は、限られた観客の方々にご意見など頂きつつ、渋谷のCIVILTOKYOオフィスにてひっそりと開催されました。以下記事はその発表内容のまとめです。
伊藤佑一郎
CIVILSESSIONの参加者の大半は、デザイナーや写真家、映像作家、ファッションデザイナー、コピーライターなどのいわゆるクリエーター職がしめます。クリエーターの参加者の多くは、自分の得意領域やその周辺で作品を作ってくることが多いです。しかし時々、CIVILSESSIONを挑戦の場と捉え、自身の得意領域とは全く違った表現で作品を発表する参加者の方々もいます。
今回はそんな「自身にとって新たな表現に挑戦をした人々」を紹介したいと思います。
小山洵一郎(ウェブプロダクトデザイナー)
CIVILSESSION 25: NATURAL
はじめにご紹介したいのは、ウェブプロダクトデザイナーの小山洵一郎さんです。小山さんは普段ウェブサイトやアプリのUIUXデザイン周りをお仕事にされている方ですが、CIVILSESSION25「NATURAL」で発表された「Flow naturally」という作品は、まさかのオリジナルソング。発表時には実際にその場でラップのパフォーマンスもご披露いただき、会場を沸かせました。私もまさかの歌ものに呆気にとられたと同時に、がっつりと心を掴まれたのを覚えています。手法ではなく、キーワードからのインスピレーションを素直に作品へと昇華させたとても印象的な作品でした。
ツカノツバサ(インタラクティブデザイナー/ブックコーディネーター)
CIVILSESSION 18: AIRPORT
次にご紹介したいのは、インタラクティブデザイナー/ブックコーディネーターのツカノツバサさんです。偶然にもツカノさんも先ほどご紹介した小山さんと同じく、ウェブサイトやソーシャル周りのデザインをされている方なのですが、ご参加いただきたCIVILSESSION18「AIRPORT」で発表いただいた作品は「YUMMY AIRPORT」という料理作品。会場となった目黒・Impact Hub Tokyoにて多くの観客に実際に振る舞われたこの作品は、料理の味で魅了したのはもちろんのこと、ご家族の旅の体験と料理をクロスオーバーさせるというコンセプトも観客の心をグッと掴み、見事この回のグランプリに選ばれました。手法は挑戦的で、かつデザインという柔軟な考えが必要なお仕事をされているツカノさんならの発想力に、「ヤラレター」と思ったのを覚えています。
栁澤貴彦(画家)
CIVILSESSION 17: SPIRITUAL
最後にご紹介するのは、画家の栁澤貴彦さんです。
栁澤さんは、ペインティング・ドローイングを中心に活動されているのですが、CIVILSESSION17「SPIRITUAL」で発表された「精神性の共有」という、他者を巻き込んだパフォーマンス作品。アーティストならではの発想で、会場に笑いと狂気が入り混じった独特な雰囲気を巻き起こしました。誰かの借り物の目線ではなく、間違いなくご自身の目線でキーワードをみつめたこの作品は、作品とは形式や手法ではなくその人自身の目線の具体であるということを改めて教えていただいたような気がします。
まとめ
今回ご紹介させていただいた3名の方に共通しているのは、その人しかもっていないオリジナルな経験を作品にしているとこと。
誰の目線でもない、借り物でない体験や経験は一見私的すぎて共感されないかと思ってしまいがちですが、しかしながら私的であればあるほど、それを観た人が持つ似たオリジナル体験を呼び起こすという、作品としての強さを持っているなと感じました。
また人前で作品を発表するという緊張感のある場で、あえて自分の得意でないことや、やったことないことに挑戦するという心意気。
CIVILTOKYOのメンバーは毎回作品を発表しているので、むしろ得意でないことをやる場くらいにとらえることも可能ですが、初めての参加でリスクを背負ってでもギャンブルできる心の強さに感嘆してしまいます。
制作期間1週間というのも、気を張ってかつ覚悟を決めて勝負するのに調度いいタイミングなのかもしれませんね。
(CIVILSESSION21:HOOKに披露しました自分の習作「超にわかファンによる一夜漬けラグビー実況」も僭越ながらここに再掲させていただきます🙏)
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