CIVILSESSION 10: GALAXY

開催日：2018年2月17日

CIVILSESSIONはクリエイティブチームCIVILTOKYOのメンバーが様々な分野の方と行うアートセッションです。決められたキーワードを元に、発表者たちが一週間で作品を制作します。キーワード発表から一週間後にそれぞれの作品のプレゼンを行い、参加者の投票でグランプリを決定します。

第10回目のキーワードは「GALAXY」。
CIVILTOKYOの2名とゲスト参加者3名の計5名で行いました。

・田中崇嗣（写真家）
・平野友也（デザイナー）
・松下沙花（アーティスト）

グランプリは伊藤佑一郎に決定しました。

伊藤は「GALAXY」というキーワードから発想を飛躍させ、夢を見ている間に発する言葉から、精神的な意味での広がりを表現しました。枠にとらわれ無い言葉の数々が絶妙な違和感を醸し出して、会場の人々を惹きつけました。
全体を通しては作品が大きく２種類に別れたようです。「GALAXY＝銀河」という共通認識のもと、その漠然とした「銀河」のイメージをビジュアル表現に落とし込もうとした田中、根子、平野に対し、松下と伊藤は独自の解釈を加え、一見では「GALAXY」というキーワードには結びつかない作品に発展させました。

①田中崇嗣（写真家）／AFTER RUFF

現代美術写真大家の褌を借りた近代美術手法のシュミレーションです。

②根子敬生（デザイナー）

宇宙の仕組みを解明するために、研究者たちは星の分布や宇宙の大きさなど、研究結果を様々な数式にて表しているようです。「I(r)=Ie・exp[-7.67{(r/re)1/4-1}]」とか「I(r)=I0・exp(-r/r0} 」など何の式だったか忘れましたが、顔文字みたいでカワイイなーー思ったのと、物事を解析して数式に落とし込む「カタチ→式」ではなく、式自体がカタチを持ったものから別のカタチが生まれたら面白いかもと思って、顔文字の式を使って、銀河をカタチ作る、ということを考えました

③平野友也（デザイナー）／civilgalaxy

Instagram上にcivilgalaxyというアカウントを作成し、そこへ日常の画像を加工したニセモノの銀河(fake galaxy)を投稿しました。
写真でしかgalaxyを見ることができない私たちが求めていることは、銀河の本来の姿を知ることより、そこから想像できる遥か彼方の世界を想像しワクワクすることであると考えました。
投稿した画像にはニセモノの銀河名、管理番号、距離、銀河タイプ、等級を記載することでより本物ぽく仕上げました。
投稿から2日間で計200を超えるいいねを頂いたり、名称提案のメッセージがきたりと想像以上な好反応を頂いています。
随時更新中。▶︎ https://www.instagram.com/civilgalaxy/

④松下沙花（アーティスト）／思考の星座

ギャラクシーと聞いて最初に思い浮かんだものは星でした。その中でも特に気になった部分は「人間がどうして星を数えようと思ったのか」でした。それは勿論作物の為だったのですが、それにしても星を見つめる→点を繋ぐ→形を当てはめる→名前をつけるというプロセスはすごいなあと思い、真似をしてみたくなりました。今の自分の周りで同じような事は出来ないかと考え、ぼーっと１つの事に集中しようとしましたが、どうしても他の事を考えてしまいうまくいきませんでした。そんな時にヘミングウェイの短編小説のタイトル「何を見ても何かを思い出す」をふと思い、星座が出来た時もきっと空を見ながら他の事を思っていたのだと気付きました。自分の普段の生活の中でこれが特に起きるのは読み物をしている時です。特に音楽を流しながら読んでいると、時に似たような歌詞が文面に出て来るとその事が頭から離れなくなってしまいます。今回はこのプロセスをビジュアル化してみました。毎日読んでいるジャパンタイムスを使用し、記事を読んでいる際になにかのビートルズの歌詞を思い出したら（今回は日本人でもよく知っていて簡単な歌詞という理由でビートルズに限定しました）その言葉からその曲の歌詞を追い、文字を結ぶという刺繍ドローイング作品です。歌詞は全く記事と関係のないものと思い選んだのですが、シリアで家を失った人々の記事ではThat Boyというワードからビートルズの曲That Boyを連想し、記事内にある文字でその歌詞を繋ぎました。「that boy took my love away,he will regret someday（あの男の子は僕の愛を奪った。いつか後悔するだろう）」など、関係がないと思い選んだ曲ですが、結果は面白い繋がりがあり、それぞれの記事のサウンドトラックのようになりました。

⑤伊藤佑一郎（写真家）／宇宙を感じる言葉

言葉の意味としての「GALAXY＝銀河」は、絵としては容易に想像できますが、行ったこともないし実感がわきませんでした。銀河という言葉は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に代表されるように、定義としての宇宙的なものではなく、ロマンチックな印象やなにか壮大なもの、説明がつかないような抽象的なものとしての方が解釈としてしっくりきました。銀河の意味をそのような精神的な意味で捉えると、銀河を一番感じている時が思い浮かびました。それは眠っている時、夢を見ている時です。ここ数日の寝言を録音し、文字化することで、みなさんにも私が感じていたGALAXYを知っていただきたいと思いました。
※画像クリックで音声再生

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