CIVILSESSION 29: "(2)根子敬生/作家の新たな表現手法を引き出す場所"
今回のCIVILSESSION 29 "REVIEW"では、過去28回行われた中から各CIVILTOKYOメンバーがお気に入りの作品の一部をご紹介します。
第29回の他の記事はこちら
(1)目的と概要
(3)伊藤佑一郎
(4)山森文生
(5)杉浦草介
(1)目的と概要
※CIVILSESSION 29は、限られた観客の方々にご意見など頂きつつ、渋谷のCIVILTOKYOオフィスにてひっそりと開催されました。以下記事はその発表内容のまとめです。
根子敬生
今回、第29回CIVILSESSIONは初めてのメンバーのみによるトーク企画。
これまでの作品を振り返り、メンバーそれぞれが印象に残った作品のレビューを話しあった。
今まで発表された数多くの作品の中から、私は「普段の表現方法を拡大して制作した作品」という点から4人の作家の作品をセレクトした。
モノを作る人間として進化し続ける為には、現在持ち合わせている技術、知識だけではなく、そこに+αの冒険を加えていくことが重要だと考えている。ただ、自らの肩書の中で表現をしていると中々その冒険を試す機会は訪れない。
もちろん、私自信がある種の技術フリークであるからこその考え方ではあるが、その冒険の一歩を踏み込む場所として、CIVILSESSIONは作家の可能性を広げるきっかけになり得る企画だと考えている。
この企画を始めたきっかけは、「お題発表から24時間後に各々作品を持ち寄って発表する」という、メンバーの杉浦が学生時代に参加していた「24時間プロジェクト」が下敷きになっている。
「自分たちの鍛錬」の場を設けるための企画として、その形式を参考にして、知人数名に声をかけ、キーワード発表から1週間後に作品を持ち寄る形式としてスタートしたCIVILSESSION。
メンバーの自宅に集まり、作品発表後に参加者だけで投票を行うという内輪の会だったが、参加者から「次の発表も観客として見たい」という声が上がったり、「面白そうなので、とりあえず観に行ってみたい」という知人たちの声も増え、観客の方々に投票をしていただく公開イベントとして現在の形となった。
今回セレクトした作家の中でも私が最もSESSIONらしさを感じた作品はタカヤマミチヒコさんの「life_ingot」である。
タカヤマ ミチヒコ(odd_ / 作家) / life_ingot
CIVILSESSION 22:LIFE
彼は普段洋服ブランドのデザイナーとして自らを表現している。
その手法は描いたドローイングからパターンを起こし、洋服として仕立て上げるというものだ。彼はSESSIONにおいてこの表現の仕方を別のマテリアルを用いて新しい見せ方はできないかと考えた。そして出来上がった作品は今現在彼の表現の一つとして引き続き模索され、発表されて続けている。
https://www.instagram.com/odd_tokyo/?hl=jahttps://www.instagram.com/odd_tokyo/?hl=ja
SESSIONがきっかけで生まれた彼の新しい可能性。作家の新しい可能性が開くところを見る事ができる。それもまたSESSIONのという企画の魅力、醍醐味であると感じている。
同じように、新たな表現手法に取り組んでいた例の一部を紹介させていただく。今後も「作家の新たな表現手法を引き出す場所」としてSESSIONは続いていく。もちろん表現者、参加者として私もSESSIONを通して、新たな可能性を模索し続けていきたい。
谷川千佳(アーティスト・イラストレーター) / 想いを乗せてはこんでいく
CIVILSESSION 01:EAST
普段、イラストなどの静的な表現を行っている彼女が「パラパラ漫画」の手法で、アニメーションに挑戦した作品。後に、ご自身の展示会でもアニメーション作品を披露された。
森田友希(写真家) / Words create responsibility. At twelve years old I thought, responsibility.. responsibility was the word that came into my mind. On my way home from school, beside the forest.
CIVILSESSION 02: REPEAT
写真家である作家が、自分自身の写真を使わず、かつ平面表現ではなく、パフォーマンスとして表現した作品。後に発展させ、作品集も制作された
根子明里(アートディレクター) / nyanfinity
CIVILSESSION 12:KILL
アートディレクターが、グラフィックだけでなく、3Dモデリングや映像など、様々な技術を総動員して制作した作品。自社で制作するAR/VRのアトラクションなどに、その技術が活かされている。