福祉とは『まちづくり』の基盤であることを再認識した日
先日、お二人の方にお会いしました。
お一人は、街の相談室ほろんの稲岡 由梨さんです。
稲岡さんとの出会いは、フチガミ医療専門学校のOBでもあり、現在、日本ソーシャルワークリーグに所属されている恒吉麻実子さんの企画された研修会のときなので、もう、5年ほど前になります。それ以降、直接お会いするのは…2回目のような気がします( ´艸`)
ちなみに、稲岡さんのnoteもあるので、こちらに張らせていただきます
そのときのお話で一番印象に残っているのは、「福祉職は福祉職以外の方の視点を忘れているのか?」という話です。
具体例を出すと、発達障害を抱える子どもが小学校に通っていて、周りの子になんらかのちょっかいを出して、学校の授業を妨害したり、時にクラスの別の子どもに嫌な思いをさせてしまったとします。
そんなとき、私たち専門職は「きっと、(発達障害を抱える子どもに)何か理由があるはずだ」という議論を始めます。しかしながら、発達障害を抱える子がいるクラスにいる他の子どもたちのことを考えているだろうか?という話です。
私の場合は、もちろん、葛藤はあります。ただ、発達障害を抱える子とそれ以外の子のバランスを考えるのは学校経営をしているクラスの教員の仕事なのかなと考えます。私たちが福祉の専門職であるのと同様に、学校に関する専門職として教職員の方がおられるからです。そのため、私たちは福祉的な支援が必要な方を中心にして考えたうえで、学校やご家族、地域と様々な連携をつくり、先生、子ども、家族…みんなのふだんの暮らしの幸せを考える…それが福祉と考えています。
一方、福祉的な支援が必要な子ではなく、そのクラスの他の子やその家族からすると福祉支援者も非常にひいきに見ているように見られている(誤解や偏見)、自らの立ち位置や見られ方も含め、支援にあたる必要があるなぁと再認識をさせられたのでした。
もう一方は、ソーシャルワーク福岡の豊福かよさんです。
私自身が福祉の道に入ったのは、障害福祉サービス(就労継続支援A
A型事業所)がスタートだったこともあり、障害がある程度固定された状態からの支援では、本人も支援者もお互いに苦労する場面が多かったことから、『幼児期からの支援が非常に必要』ということを実感していました。
その後、転職して放課後等デイサービスで支援員をしているとこれもまた同様に入学前の『児童発達支援』が非常に大切で、読み書きの前の発話や動作など様々な観点から福祉的な支援が入れられることがとても大切だなぁと思っておりました。しかしながら、福岡市は独自のルールで児童発達支援が療育センターを中心に事業所が非常に限られていて、支援を受けることができる家庭が非常にかぎられています。
そんな中、幼児期のアウトリーチ支援、しかも、相談援助を中心にしたサービスを提供している会社がある…ということで知ったのがソーシャルワーク福岡で、創業者である豊福かよさんでした。
実際にお話をお伺いして分かったことがたくさんありました。『子育てそのものはやはり大変なもの』であること。だから、非常に支援が必要なものであるにも関わらずフォーマルなサービスは皆無であること。そして、時代の変化とともに子育てが『孤育て』になってきていることから、フォーマルサービスを生み出していく必要があること。そして、それは親だけではなく、保育や児童の今の専門職も同じように、経営者と保護者の間に挟まれて孤立している方が少なくないこと。そして、児童分野の専門職が育たないこと…などなど。
今回、お話をお伺いして、豊福さんのお話は、保護者、児童福祉専門職、地域の子育てボランティア、そして、行政職員…非常に多くの方と共有したいなと思いました。
来年は児童福祉の取り組みを地域でもっとできるようになりたいと思っているので、また、考えて、行動していきたいと思います。みなさんのお力をお借りできたらうれしいです。よろしくお願いします。