ワーキングメモリを使わない計算法
前回はこのような記事を上げましたが、今回も今週末もこどもの学習支援をしながら、思うのです。
どうしてもワーキングメモリ的に処理が間に合わないので、パニックになるお子さんに、つるかめ算をどう教えるか。
さて、つるかめ算と聞いてアレルギー反応が出る人やそもそも、そんなものあったっけという人のために…。
ワーキングメモリって、一言でいえば、「作業をする時に、必要な情報を一時的に頭の中に覚えておく力」のことなので、「~のときは~で」というような、いわゆる「場合分け」が発生したとたんにワーキングメモリを消費してしまうわけなんですよね。
この場合で言えば、ツルが1匹でカメが9匹のときは、ツルの足が2本とカメの足が36本だから、合計38本…だから、違う…といったような感じで考えるのが、とても、ツライ…けど、これを強要するのが、指導要領なんですよね…。
問題読んだ瞬間に答えが一瞬ででれば、ワーキングメモリを使う必要なんてないのに、そんなこと…できるんだよなぁ。
線形代数(俗に言う比例)と呼ばれる世界の話なのですが、これ、行列式という計算方法を使うと一瞬で答えが出ちゃうんですよね。
「連立一次方程式」と言われるもので、例えば、上の式のXの係数に下のXの係数の×倍したら、係数が一緒になるから、上から下の式を引いたら…というややこしい作業(掃き出し法といいますが)がありました。
でも、そんなことやっているのは日本だけですw
舶来もののパソコンの中では、そんなメモリを消費するような計算は無駄な電力と時間と記憶容量を消費するので、ビル・〇イツも、スティー〇・ジョブズもさせません( ´艸`)
こんな感じで、場合分けをしなくても、実は計算をするだけで答えがわかるようになっているんですね。
では、先ほどのつるかめ算の問題をもう一度見てみましょう。
では、X(ツルの数)とY(カメの数)を求めます。
つるかめ算の式は下のようになりますね。
ここで、すぐに下のように計算をはじめてしまうんです。
これなら、面倒な場合分けは必要なくてすぐに答えにいきます。
X=8/2=4 Y=12/2=6 となりますので、正解ですね。
もう少し、補足しますね。
それぞれの式の係数(X、Yの前の数字)と右辺(10と32)だけを見ます。
まず、分母は共通で、計算方法は下図の通りです。
分子の方は、Xの答えが欲しいときは、Xの係数を右辺の数字に置き換えて、Yの答えが欲しいときは、Yの係数を右辺の数字に置き換えて、上記の計算方法で計算するということになります。
一見、複雑そうに見えますが、わかると何も考えずに作業をするだけで連立一次方程式が解けるのでかなり楽になります。
結論
ワーキングメモリを使わない方法を伝えるのには、大学の数学を教えるのが一番早いのではないかと、最近思うのです。
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