都市(まち)に関わる映画のご紹介⑧
こんにちは。
本日ピックアップさせて頂くのは、多くの方が一度はみた・きいたことがあるかもしれないマイインターン(英題:The Intern)です。
まえがき
こちらの映画は2015年にアメリカで製作された映画で、ジュールス (アン・ハサウェイ)が1人の女性の目線でクロージングのオンラインショッピングの潜在需要に目をつけ、起業してから約一年半で220人ほどの従業員を抱え成長真っ只中の中、深く広い経験を持つシニアの方々をインターンに雇用するプログラムを組み、そこにベン(ロバート・デ・ニーロ)が応募し雇用され、そこから物語が繰り広げられるというものです。
noteでも色んな方がレビューを書いていらっしゃいますが、今回こちらをまち視点でご紹介したいと思います。こちらにFilmarksのレビューURLを貼り付けております。
*単純に英語の勉強としても分かりやすく良さそうです。
トレイラー
まち視点でみる、この映画の魅力
言わずもがな、こちらの映画は現代におこる!?様々な社会現象をドラマ仕立てにキャッチーに描いており、そこの要素も今、まちにはどういう戦略・サポートが必要とされているのか?暗に示している気もしますが、今回はその部分が省略させて頂き、あるシーンにフォーカスさせて頂きます。
(ネタバレを含みますが、本編の物語の鍵を握る部分ではないため、細かいネタバレは気にしないという方はお進みください。)
それは夜遅くまで二人が仕事をしていて、ピザを食べている中で始まるちょっとした雑談のシーン。
ジュールスが何の気なしにベンのこれまでのキャリアに関する質問をしていた時に、会話を深めていく中で、今自分がオフィスとして選んだビルが実はベンが40年間勤めていた会社の跡地だということに気付き、ベンがインテリアやその周りの風景についてのストーリーを話していきます。
印刷機を適切な高さに設定する為の段差。
工場全体を見渡す事ができるちょっととした踊り場?
オフィスの窓の先の通りに植えられた木(Sycamores)の成長。
ベンは電話帳を製造する場として、与えらえた建物の内部構造の話を繰り広げ、一方映画の映像から見えるのはリノベーションされた後のよりモダンで洗練された雰囲気のオフィス。
自分がかつて知っていた場所が、自分が知っていた姿とは違う容姿となり、違う使われ方をしていることに、居心地の奇妙さ?を問うジュールスに対し、ベンはここはRemodelledされているが、今でも家だと答えます。
これは、主体によって場に対する愛情の深さや方向性が違うという、”場の感覚” (Sence of Place)を上手く描いているシーンだと言えます。
これがもし、建物内及びその周辺地域までフルリノベーションされていたら、ベンの回答も変わったかもしれません。
何をどう残すか?この選択は、改修する事を前提に考えると難しいものです。今回の様に私的空間内の話であれば、新しい所有者の嗜好にそって行えますが、もし仮にベンが働いていた工場が国営のものであったら、建物自体は歴史的遺産となり、改修要件も作成する必要があります。
ベンは実は自身のもう一つの家に戻ってみたかったからジュールスの会社のインターンを受けたのか?
少なくとも、ベンにとっての電話帳会社での勤務の記憶はポジティブなものだったのでしょう。
場の感覚は、たとえそこが違う姿になったとしても人それぞれの主観によって感覚が形成され、残っていきます。
場の意味が失われないように、物理的に残していくことと同時に、どうやって語り継いでいくか?も重要なものとなります。
また人には自身が社会(人)と関わる3つの場所があると言われております。
Fisrt Place:家
Second Place:家以外に最も多くの時間を費やす場所(例:会社)
Third Place:自身やその周りの関心や習慣によって赴く場所(例:カフェ)
ベンは冒頭でこの ”場の喪失” を旅行へいくことで補おうとするも、同じ場で物理的に人と偶発的に出会える場所へ赴く習慣をつくることがより自身の生活にとって重要であることに気付きます。
ライフシフトが主流になってくるとは言え、これまで多くの時間を会社で過ごしてきた人にとって、突然その場を失った時、どう向き合えばいいのか?
ベンは第三の場を増やすことにより、第二の場の喪失を埋めようと試み、インターンという形で第二の場を取り戻しました。
あなたにとっての第三の場はどこか?そんなことをふと考えてみて頂けると嬉しいです。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
マイインターンを見た事がある!という方も、そうでない方もこの私のレビューをきっかけにもう一度観て楽しんでもらえたらと思います。
私の中でマイインターンといえば!という音楽があるので、そちらの音源を添付しておきます。
本日もありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?