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#21:従兄弟の上京
僕には10歳歳下の従兄弟がいる。10歳ぐらいの時に産まれた従兄弟だから、赤ん坊の頃から見ていて何かと近況が気になる。このたび転職をして上京してきた。
これまで、従兄弟は関西の零細な同族会社で営業をしていた。外国語学部を卒業して海外営業ができると期待して入った会社は、会社を支配する一族のモラハラパワハラに溢れ、海外営業といってもリモート会議をするのみだった。
なんとかならないかともがいている姿は以前から伝わっていた。たまに「〇〇について良い本はないか」とか「〇〇を勉強しようと思っている」とか、そういうメッセージが来ていた。
転職活動も、相当な数の会社にエントリーしたようだった。最初のキャリアというのはよほど重要らしく、第一志望の業界の会社には書類選考でほとんど落とされてしまった。文字で事実として伝えられる情報が優位な厳しい現実。
話を聞いていると、従兄弟にはガッツがあるように思える。例えば営業時に取引先が「まだ今の部品の償却が終わってなくて…」等と言うと、「償却とは何か」「償却が終わっていなければ、なぜ買いたくないのか」ということが気になって、それで僕にメッセージをしていたらしい。
僕は「けったいな同族会社から抜け出したいんやろな」ぐらいに思っていたのだが、激しく真っ当な動機だった。誤解したことを謝りたい。
一方で、当該同族会社の先輩たちは、そのような話を聞いても「なんやよう分からんな」と流していたとか。パワハラやモラハラの横行する同族会社では、知識の豊富さより、数字より、経営者一族に気に入られることがプライオリティになる。
ともかく、彼は、営業として営業以上のことにアンテナを向けられるような人材なようだ。教科書的な知識で頭を埋め尽くし、知識と知識が有機的に結びついていない会計士各位(私含む)は見習うポイントだ。
僕がメッセージで教えてあげた教材(会計士試験予備校大手のCPAが無料でやっているウェブのラーニングシステム)についても本当に学ぶのかどうか懐疑的だったが、彼はしっかり学習していた。ハングリーな精神を行動に活かし、ベターな環境はないかとがんばっていた。
(参考)教えたCPAラーニング。僕が受験生の時はこんなものはなかったし、本当にすばらしいと思う。従兄弟は植田先生の講義が好きで、毎回の授業の最初にされる雑談に色々と感銘を受けているようだ。
https://www.cpa-learning.com/
ファーストキャリアの問題で書類落ちさせた多くの会社には「ザマァ」と言いたいし、そんな彼の良さを見抜いて雇用することを決めた会社には「あっぱれ」と言いたい。
身内のえこひいきなのかもしれないけど。
これから、がんばってほしい。今日はこれだけ。