![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161835097/rectangle_large_type_2_3883e026fac6c0fa8b92e9abad9ac99f.png?width=1200)
#47:2024年10月米国消費者物価指数
2024年の米国消費者物価指数が発表された。9月はトライアルのように分析してみたが、少し感覚が分かったので下記の目次のような流れで分析を行ってみる。
概要
2024年10月は前年同月比で2.6%の上昇となった。市場予想も2.6%であったため、市場予想通りの動きとなった。9月が前年同月比で2.4%の上昇となっていたために、インフレの収束はまだ、というところだ。
全体の内訳(食品、エネルギー、その他)
米国労働省労働統計局のデータ(こちらのTable1)を用いて分析をすると、このような結果となる。
![](https://assets.st-note.com/img/1731577383-LWsNDwhPcbqyRmpMg3lCeVj2.png?width=1200)
青線の食品は前年同期比で+2.13%(重みづけ13.4%)
オレンジ線のエネルギーは前年同期比で▲4.86%(重みづけ6.6%)
緑線のその他は前年同期比で+3.33%(重みづけ79.9%)
となっている。米国の物価上昇を牽引しているのは、相変わらず食品とその他、で、エネルギー価格は下落していることを示している。とはいえ、エネルギー価格(オレンジ線)はアップダウンを繰り返しているので、前年同期比で考えると変動しやすい。
食品の内訳
食品はまず大きく「家での食事」と「外食」に分けられている。
「家での食事」は前年同期比で+1.12%
「外食」は前年同期比で+3.81%
となっている。「家での食事」は食品全体の重みづけ13.4%のうち約8%、「外食」は約5%、食品の前年同期比+2.13%を牽引したのは「外食」と考えられる。
実際に「家での食事」においても、「肉、魚、卵」と「ノンアルコール飲料」がそれぞれ前年同期比+1.92%、+1.71%が大きく出ているだけで、他の項目については前年同期比で+1.0%未満だ。
食料自体の物価が上昇しているというよりも、外食におけるサービスの部分が上昇していると捉えることができそうだ。
エネルギーの内訳
エネルギーはまず大きく「エネルギー商品」と「エネルギーサービス」に分けられる。
「エネルギー商品」は前年同期比で▲12.4%
「エネルギーサービス」は前年同期比で+4.0%
となっている。エネルギー全体で▲4.86%と考えると、相当に解像度が上がる。
特に「エネルギーサービス」の上昇に寄与したのが「電気」で、前年同期比で+4.52%となった。このように見ると、エネルギーについても食品と同様の動きをしていて、燃料自体が値上がりしているというよりも、サービス部分が上昇していると捉えることができる。
その他の内訳
「その他」の上昇を牽引する結果となったのは「運輸サービス」と「たばこ類」で、それぞれ前年同期比で+8.15%、+6.80%となっている。
指数のまとめ
上記の日経記事でも触れられていたが、全体を「モノ」と「サービス」に分けた場合、「サービス」の上昇率が高止まりしているというのが現状と考えられる。
![](https://assets.st-note.com/img/1731579038-0nKsokEyMWN4i6dJZI82AtaS.jpg)
日本の状況
日本も消費者物価指数としては前年同期比で+2.4%程度ではあるが、米やジュースといった日用品が大きく上昇し、さらに政府の「酷暑乗り切り支援」があったためにエネルギーの上昇率が抑えられた結果、とアメリカの状況とは相当異なるように分析できる。
同様の物価上昇率であっても、米のような必需品が大きく上昇してしまう、というのはなんとも苦しい現実があるように思える。引き続き物価指数については着目していきたい。