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#22:楽天SCHD

楽天SCHD

楽天SCHDという、楽天証券が新たに販売を開始した投資信託の売れ行きが非常に好調らしい。


財テク(言葉が古いかもしれない)周りで著名なYoutuberである両学長さんも、Youtubeの番組で「あり」等と取り上げ、その他投資周りのYoutuberたちもこぞって番組で取り上げているのを見た。内容の無断転載等はできないので、番組のリンクをこちらへ貼っておく。

楽天SCHDの特色(目論見書)

どういう投資信託なのだろうか。せっかくなので目論見書を見てみたい。一次情報に当たることは常に大切だ。目論見書はこのページで見ることができる。

ファンドの特色として、下記のことが記載されている。
①米国の株式を主要投資対象とする上場投資信託証券(ETF)に投資します。
⇒僕たちがこの投資信託を購入すると、このお金を使って「楽天・高配当株式・米国マザーファンド」へ投資される。このマザーファンドが投資対象であるファンドへ投資し、そのファンドが米国の株式へ投資を行う。

ファンドの仕組み(目論見書より)

②2月、5月、8月、11月の各25日に決算を行い、収益分配方針に基づいて分配を行う。
⇒年に4回分配を行うということ。

この投資信託が人気となっている理由についてはこういうことらしい。
・この投資信託が最終的に投資する株式は、一貫して配当金を支払い続けてきた会社である
・新NISAの成長投資枠の中で購入可能なため、分配を受けた際に税金がかからない(注意:米国側の税金はかかっているはず)
要は、「高配当かつ配当への非課税を実現できる」として、注目を集めている。

個人的意見

個人的にこの投資信託をポートフォリオに組み込むかどうか、と言われると非常に悩ましい。その点を記載していく。

①分配金

当たり前なのだが、年に4回分配されるということは、年に4回、その投資信託の基準価格が下落する瞬間がある。分配する、ということは、投資先の純資産から払われているのだから当然だ。

また、目論見書の「ファンドの目的・特色」に、「分配金は、計算期間中に発生した収益を超えて支払われる場合がある」とある。これも当たり前なのだが、収益以上に分配すると、期首時点よりその投資信託の純資産額は下落することになる。

購入して「毎回分配金があるから大丈夫♪」などと思っていても、もしかするとその分配金はただの純資産の取り崩しかもしれない。そうなっていたら、分配金は来ているけれど、株価は減っていて、結局・・?ということにもなりかねない。

②投資対象の広さ

この投資信託を買うことはある意味でインデックス投資に該当するのだが、そのインデックスが対象とする企業群が狭い。S&Pやダウといったインデックスと同質のものかと言われると首をかしげざるを得ない。

インデックス投資が人気を博した理由はリスク分散が可能だから、という点が特に大きいと理解しているのだが、当投資信託で十分にリスク分散が可能なのか、と言われると疑問である。インデックス投資=リスク分散、ではない。それが対象とする企業群やその性質を理解し、その上でリスクが分散されているのか、リスクが許容範囲内なのか、ということを各投資家が判断していくしかない。

この2点から、個人的には投資ポートフォリオに組み込むことはないと考えている。

結論

ただ、投資というのは最終的に個人的な判断が全てなので、ある程度リスクを高めることが許容できる方や、基準価格が棄損したとしても分配金が欲しいという方は買ってもいいのかもしれない。僕自身は(非常につまらないが)リスク分散した形でのインデックス投資をするスタイルを維持しているので、それに沿っていないというだけだ。他人の投資スタイルをとやかく言う資格などない。とにかく、自己責任で、自分で判断をしてください、の一言につきる。

こういう投資の話もいつもおもしろいなと思う。また機会があれば取り上げていきたい。


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