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文字化化 ネタバレ感想

女性向け言語解読ホラー脱出ADV「文字化化」の感想です。(ED数個残して回収済)全編ネタバレです。(※単語の答え合わせ等はしていないので、ストーリーの解釈が間違っている可能性あり)




・タイトル、ゲームをクリアした今もつい「もじかか」と読んでしまうんですが、「もじばけ」が正しいんですね。文字と読み方がお洒落でいいな~。


・この手の言語解読のゲームが初めてだったこと、かつ私があまり説明書を読まずにゲームする人間だったせいで、「プレイの流れで単語の意味がわかったらシステムで自動的に登録してくれるのかな」と思い込んでしまい、初見はエピソード2終わりくらいまで辞書がすべて『???』のままでプレイし続けた。わたし バカ 本当に
システムを理解してから、最初からやり直すことにした。ちゃんと説明してくれてるんだから説明書読まないとな…と反省した。(ゲームのシステム説明自体はとても親切でした)

・初見プレイ時、エピソード2で赤い傘の男に遭遇したとき、「この人が何を言ってるか全然わかんないけど、今までテキストボックスが出たときって主人公の名前を答える時だったよな。今回も名前入れとこ」と思って名前を入れ、一発でScarlet Endに行ってしまった。しまった~~~

・言語解読、わからない言葉は『A?B?』等いくつか当たりをつけて、再度同じ単語が出てきたら少しずつ修正するようにした。
部屋の中に同じようなオブジェクトがあったのは、微妙に違う箇所を見せることでプレイヤーに単語を学習させる意図があってのことだったのか~と関心した。言語解読ゲームは初めてだったけどとても面白かった。

・這いばい男さんとの遭遇時、バールで殴ったのが申し訳なくて即ロードしてしまった。
「ゲームで自分の思ったような結果が出ない」ということはよくあるし、むしろゲームの醍醐味でもあると思うのだが、最近はプレイしていて不本意な結果になったものは即ロードして無かったことにすることが増えた。私 弱い オタク

・赤い傘の男、ビジュアルがとても好き。ゲームをプレイしていて『赤』ってすごく目を惹く色だなって改めて思った。ゲームタイトル画面の這いばい男も、白と黒のカラーリングの中に赤い血が入っているとすごく映えるなと思う。
赤傘男、身体がバキッと曲がるのは傘の怪異だからでしょうか。一方的な言動も含めて、人外みが強くて良い。

・ツギハギ男と初めて会ったとき、主人公のことを警戒してるのかな?と思っていたのだが、単語を解読した後改めてやり直すと、「主人公のこと食べて良い?^^」って言って這いばい男に止められてて笑っちゃった。コイツ…

・行く先々で現れる黒電話のことを恐ろしい存在だと捉えていたが、あれって主人公にヒントを与えてくれる存在だったんですね。
私が電話が苦手なこともあって、ゲーム内で電話が鳴っていると「怖い」と反射的に思ってしまう。嫌なメッセージを伝えてきそうな感じがあるというか。

・なんかLINE風味のメッセージが流れる度に、この天の声を浴びせてくるフードの人は誰なんだろう?この人も攻略対象なのか?最初に会ったフードの男の人と同一人物なのかな?とか思ってた。正体が暗示されてからは、あ~~~~~ってなった。

「主人公」と「レインコート」はまるごと=の存在ではなく、レインコート怪異として噂されたものが育っていって、それが主人公に影響を及ぼしている、みたいなものなのかなと解釈している。


・大きい顔さん、怖すぎて草生えた。
メインルートをやるだけでトラウマになったのだが、フード男ルートと長鉈男ルートを回収するとき、大きい顔さんと何度も遭遇することになったのがキツかった。
言動とか行動が同じでも、ビジュアルが赤い傘の男ならそこまで怖くはない気がするから、大きい顔さんの顔が不安感を煽るのかもしれない。ホラーと
してはすごく良かったです。

・長鉈男も初回プレイ時はトラウマになっていた。
赤い傘の男を倒すエンドを解放するとき、長鉈男とのチャプターに戻ってこないといけないの…?無理。。。スキップして赤傘男討伐エンドに向かお。。。と思っていたくらいだった。それなのに長鉈男ルートをやるとギャップでときめいてしまった。こういう乱暴者が不意に見せる優しさ、いいな~~~~。

・フードの男ルート、「めちゃめちゃ真っ当な人やないかい…」と思ってしまって、眩しかった。小さくなった主人公がフードの男に大人しく運ばれ続けてるの、この主人公だからこそめちゃかわだな…と思った。他の恋愛系ゲームでも言えることだけど、どのキャラクターのルートに入るかで主人公のキャラが少し変化するのはやっていて楽しい。

青い服の女にかわいい!ほしい!だめ?って言われて、フードの男がだめ!だめ!って断固拒否するところが特にかわいくて良かった。

・このゲームの目的は「出口を見つけて脱出すること」だと思っていたので、さっさとエレベーターから帰ってハッピーエンド(あっさり…)になり、?????となったプレイヤーは多いのでは無いだろうか。私もその一人です。「エレベーターから帰ろうとしたら殺される」分岐があると予想していたけど、意外と無かったな~。

・生首を探すくだりで一度mistake ENDになって、生首に上にいるよ><と言われたので上の方の箱を探したら隙間の男が現れたので、えっどういうこと????と混乱してたらもう一度mistake ENDになって笑ってしまった。隙間の男、変なタイミングで現れないでほしい。

・美容師さんとのやり取りで、這いばい男にその髪も切るよ→私長いのが好きだからだめ!って言ってるの和んだ。でもショートヘアにした這いばい男も見てみたいよ。

・銀髪の男ルート、色々と世話してくれるのに私のこと好き?と聞いたら「私は好きがわからない あなたに興味はある」みたいなこと言ってくるの、研究者然としてて良かった。
銀髪の男ルート3で、銀髪の男が肉塊になってもさほど怒ってないのに優しい…!好き…!となる終わり方、Big Love…という感じで良かった。

・END8、最初は意味がよくわからなかったんですが、色々理解したら気持ちが沈んでしまった。でも悲恋ルートとしてはかなり好きな部類だ。
生首くんは他に穏やかなルートもあって良かったと思う。個人的にはEND6もほのぼの生首ルートです。


・ツギハギ男が人間の男の上着を着てた件、あの人間の男の命はどうなったんですか…?と思ったけど、特に言及が無かった。
選択肢次第で人間の男を助けるチャンスまだあるのかな?と思ってツギハギ男と遊んでみたけど、バスに乗って戯れただけで終わって、畜生!と思いました。

ツギハギ男と主人公が絡んでるシーン、コイツめ~!と思うことが多い。いい意味で。トリックスター的な、こういう賑やかしのキャラのやりとりって面白い。バスの止め方教えて→わからない→(攻撃)本当に知らないのか?のやり取り、好き。

・ツギハギ男にさらわれた主人公を追う這いばい男さんが立ってるシーン、立ったアアアアアアアってこのゲーム1の衝撃を受けた。レッサーパンダの威嚇とか言ってる主人公にも笑ってしまった。這う方が得意で立つのは苦手みたいに言ってたけど、立てない訳じゃないんだな。

・主人公は面白いキャラだなと思う一方で、人間社会にいた頃から殺人含む暴力を行っていて、ゲーム内で積極的な暴力をしても特に罰が下ったりする訳では無いところはちょっと受け付けなかった。長鉈男との話で「追ってくる奴と戦うのははじめてだからうまく出来ない」みたいな話をしてるとこがあったけど、つまり主人公は正当防衛じゃなくて愉快犯的に殺してたんだろうな~と…。

でもこの設定があるからこそ、異界内で血なまぐさいものを見てもそこまでショックを受けなかったり、暴力への対処がこなれていることに説得力があったのは良かったと思う。
あと、主人公が死亡したりつらい目に逢うような展開になっても申し訳ないと思わなくなったというか、「凪」の状態でサクサクゲームを進められた。ホラーゲームがさほど得意じゃない身としてはありがたい主人公だった。

・赤い傘の男との最終決戦、今まで異界で学んだ言葉で赤い傘の男の誘いにNoを突きつけ続けるの、これまでの集大成感があってとても良かった。

「わたし あなた 好き あなた わたし 好き 名前教えて 一緒に行こう」みたいな言葉を繰り返し言ってくる赤い傘の男、話が通じない感があってこちらもとても良かった。
でも、Noを突きつける度にパリーンとしているのって、赤い傘の男は断られて人並みに傷ついているということなんですか?かわいいな。

・当初赤い傘の男とどう決着を付ければいいかわからず、幽霊団地をひたすらぐるぐる走り続けたので「主人公の心肺能力高すぎないか」と思って笑ってしまった。主人公は肉体的にも語学的にも強いし、ハイスペや……。

・初めて辿り着いたメインストーリーのENDっぽいものは『ベストオブ隙間』だった。これはこれで満足度が高いENDだなと思う。
当初の印象だと隙間の男=弱い、赤い傘の男=最強のイメージがあったが、隙間の男はかなり強キャラの部類なんだなと思った。

・EDとしては、『Scarlet rain』エンドが一番好き。異界で言葉を学習した主人公が赤い傘の男とコミュニケーションを取れるようになって、最終的にちょっと丸い関係に収まるのはストーリーとして綺麗だなと思った。関係性が少し変わっただけで、両者の性格自体はそこまで変わっていないのもいい。

赤い傘の男の新名前は「もみじ」にしました。

・カップリングとしては赤い傘の男×主人公が一番好き。最終的にお似合いの二人だなと思うようになった。あと個人的な趣味として「敵対関係」のカプが好きなので、ゲームを通じてずっと戦ってるのが良かった。

這いばい男×主人公は、最初のうちは『かわええなあ。ゲームタイトルにいるこの男が正ヒロインなのだろうし、二人で幸せになれるといいよな。』と思っていたんだけど、主人公のキャラがわかってくると、這いばい男さんが主人公を守ったり大事にしてくれたりすることが、なんか……申し訳ないなと思うようになってきて……。

主人公は強い存在だし、他者を殺してもそれに悪びれることはあんまり無いのだが、その辺の事情を這いばい男さんがどこまで理解した上で主人公を好きと言っているかがわからず、這いばい男さんは主人公を誤解しているのかな…………という微妙に悲しい気持ちでゲームを終えた。

銀髪の男や長鉈男は主人公を害することもある(そして主人公も各キャラを害することがある)から、ルートに入っても特に違和感は無かったのだが、這いばい男は主人公に対してマジ献身的1000%なので、なんか……その献身、一方的じゃない?と、罪悪感が湧くようになってしまった。END4など、主人公から這いばい男に良いことをする(?)シーンもあるので、完全に一方的な訳では無いとは思うけど……。

故に私は這いばい男関連のエンドだとEND17が一番好き。対象は主人公ではないとはいえ、這いばい男の暴力性が出ているエンドだと思うから。


・システム面だと、mistake ENDなどENDを迎えたときにすぐ前に戻れるのが便利で良かった。チャプター分けも細かくてさほどストレスが無くて良かった。
エンディングが多数あるのは良かったけど、分岐方法がわかりづらい(攻略サイト確認しました)のと、脈絡なくヌルッと終わって完…のエンディングが多かったことは戸惑ったかな。え、終わり??と思ったものが多い。

・ビジュアル面だと、作中の絵柄もキャラデザも全部美麗ですごく良かった。私が『女性向け言語解読ホラー脱出ADV』に求めるものの全部があって、大満足だった。
この手のゲームは他には『歪みの国のアリス』があるけど(好きです)、まだまだ作品が少ない分野であるように思うので、同じジャンルのものをもっともっとやってみたい。ホラーゲームの画風は好きだけど、ホラーのアクションが苦手でホラーゲームを然程やったことない身としては文字化化の怖さとアクション性は丁度良かった。
あと言語翻訳がとても楽しかったので、他の言語翻訳ゲームもやってみたいな。


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